仕事始めました! ⑫春はあけぼの

 夜明けが早くなった。今日は6時半である。今年の初日の出が7時半頃だったので、1時間早くなったことになる。曇りがちの冬日と違って今日は快晴。3~4日前は雪さえ降ったのに。
 白々と明るくなる空を見ながら、春の近さを感じつつ朝の静寂を楽しんだのだった。
 でも、いつから現代人は空を見なくなったのだろう。

 空を見なくなった現代人

 「春はあけぼの‥」で始まる清少納言の『枕草子』は誰でも学生時代に冒頭を暗記させられたのでは?そして春以外はあまり知られていない他の季節に関しては「夏は夜で、特に月夜」「秋は夕暮れ」「冬は早朝」が好き、とくる。夏以外は空が刻々と変わりゆく時間帯。夏も月が雲に隠れたり出たりで、空に変化を及ぼす。

 田舎に住んでいていつも広い空を見慣れている人以外は、現代人は空は日常的に見ない。というかゆっくり見るヒマがない。清少納言が「好き」といった時間帯は特に。忙しすぎるのだ。

 今日は日曜日だが、朝の6~8時の間はウィークデイなら戦争の時間。冬はとくに薄暗い朝は寒さ感に拍車をかける。夕方もしかり。日が暮れても仕事は終わってさえいない人も少なくないだろう。屋内にいて「あれ、いつ日が暮れたの?」って感じかな。
 いつも空を見てお天気の心配をするのは、農家さんか漁業、建築関係ぐらい?それでも『楽しむ』なんて感覚からはほど遠い。

 私が旅行が好きな理由は数々あるが、その一つは『壮大な空』にいつも感動を覚えるからである。まあ、そこそこの都会に住んでいて、そこそこ忙しい生活をしていたら空を楽しむ余裕がない。しかし、旅行中は景色もご馳走とばかりに空を見る。

 去年行った北海道も空が大きな所だった。屋上に温泉があるホテルに泊まった時、一緒に行った友人と「これは是非、夜明けをその場所で見ないと!」と早朝温泉に入りに行った。
 360℃、何も遮るもの無く空を見ると、人は何故こんなに心を揺さぶられるのだろう?
 自然の中のちっぽけな自分、この世界に生かしてもらっている自分を感じるというAwe(オウ)体験である。(Awe体験については「リストラ生活98温泉に行こう!を見てね)

 生憎その時は雲が厚く、お日様が拝めなかった上にお湯が異常にぬるく(温水プールか⁉というぐらい)風邪を引く前に早々と引き上げたのだが。

 思い出に残っているのは、15年程前に行ったエジプトの夜明けである。
 ナイルに浮かぶ小さな島全部がホテルの敷地になっていて、その中にヴィラが点在していた。エジプト神話ではお日様は太陽神ラーの化身である。
 地平線に沈む真っ赤で大きなラーは拝んだが、登りゆくラーも見たくて早朝一人で島内を散策した。数年前にテロ事件があったせいか、島縁に等間隔に銃を持った護衛兵が立っていたのにはビックリして、肝心のラー様がどうだったのかあまり覚えていない。残っているのは、かすかにピンク色の空をバックにした兵士のシルエット。日本では見ることのない世界。
 だが、カイロを一歩出たエジプトの砂漠はどこも空はとても広かった。

 自宅で空を楽しもう!

 ニースやモナコやドバイ、お金持ちが集まり高級ホテルが乱立する所は海が見渡せる。水平線に登り沈む太陽を観る為だ。オーシャンビューでも太陽が見えなくては意味がない。
 おお、そう言えは今のウチは夕陽は見えないが(多分屋根に登ると海に沈む夕日が見えるかも)山の端から朝日が昇るのが2階のベランダから見えるのだった。

 今の所もそうだが、ここの前に住んでいた所も小高い山の中腹で見晴らしは良かった(何せ市内のドーム球場の屋根が開いているか閉まっているかが見えるぐらいだったのよ。山なんで寒かったけど)。どうも昔から私が高い所が好きなのは空がよく見える為なのかもしれない(だれ?○○だからと思ったのは!)。
 だからといってタワーマンションはいろんな意味で恐ろしいので除外である。今タワマンにお住みの方には「なんで⁉」と言われそうだが。ほら、地震とか停電とか老朽化とか。ビビりなんですみません。

 せっかく早起き習慣が身に付き、夜明け時間には既に起きてはいるのだから、これを楽しまない手はない。季節も春。空気もフワフワとしだして何だか原始の記憶を思い出させるような不思議な季節。(台風の時のような生ぬるく強い風って太古の地球はこうだったのかもというデジャブな感じがしない?私だけ?)
 2階のベランダにテーブルと椅子を置いて、30分ほどコーヒータイムをとってみようか(朝食は食べないので)。朝一番の日の光はセロトニン生成にも良い。
 春らしく鉢植えの花でも置いて、いつもそばにいたがる愛猫の居場所も作って。
 絵に描いたような優雅な老後の一コマではないか、なんちゃって。(考えておかねばならないのは、雨風の時にそれらをどうするかだな)

 自宅からは日の出が見えなくても、日曜の度に近くの低めの山に早朝登る会に参加している人もいる。それはそれでヤミツキになるらしい。
 毎日は無理でも仕事がお休みの日ぐらい(二度寝や昼寝も出来るし)春の曙を楽しんでみてはいかが?

 さあ、明日から私も「春はあけぼの」生活を始めてみよう(いつまで続くやら)。
 それではまたね。ごめんなさいませ。

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