仕事始めました! ⑬失敗で若返る⁉

 失敗は辛い。テーブルのお茶をひっくり返した失敗から取り返しのつかないザックリ痛い失敗まで、失敗も各種あれども「やっちゃった‥」というあのイヤ~な感じのない人生はどんなにいいだろうと思う。
 失敗した事のない人なんていないと分かっているが、この鉛を飲んだような(実際に飲んだことは勿論ない)重苦しい感覚はカンタンには拭えない。時間を巻き戻したい衝動と自分を蹴飛ばしたい焦燥。
 特に仕事においての失敗は。

 ヒヤリハットを飛び越えて

 医療職の私がよく「大変ねえ」と言われる理由として『失敗が命にかかわる重大なミスになり得る』という意味もあると思う。確かにその通りである。それだけに2重3重と、間違わない様にチェックが施されているのだが、それをかいくぐってたまにミスが起きる。ほとんどが『命に関わらない程度』であるが。

 「重大なミスになったかもしれないニアミス」を、ヒヤリとしてハッと気づく、でヒヤリハットとも呼ぶ。ハインリッヒ法則では300件のヒヤリハットがあれば、その内の29件は軽微な事故であり、1件は重大な事故が起きている。つまりヒヤリハットが多ければ多いほど重大事故の件数も多くなる。

 ヒヤリハットはミスに至らなかった為に見過ごされやすいが、それをウヤムヤにせずに共有、蓄積してミスを防ごうというのが『ヒヤリ・ハット・キガカリ活動』と呼ばれるものであり、医療現場でも活用されている。そして、今は日本の殆どの医療職場では「実際に被害が生じた場合にインシデントレポートを提出するというシステムがある(と思うけど)。

 で、私はこのインシデントレポートを2枚立て続けに書くことになってしまった。29/300の軽微な事故というモノである。まだ、ここの職場に来て300も仕事していないだろうに‥。まあ、気持ちは全てがヒヤリハットの看護学生並みの状態ではあったけど。転んだうえに車に轢かれた気分。

 そしてこのインシデントレポートは『重大なミスを予防する為の共有』が目的なので罰則の意味合いが強い「始末書」ではない。なので以前の職場の上司の様にイヤミたっぷりに渡すようなことは、今度のマトモな上司はしない。とはいえ、なかなか手に付かないのが現状である。

 手に付かないのは「自分の失敗を直視したくない」に他ならない。後悔と自信喪失。数えきれない程に考えた「たら・れば」。自分の弱い、情けない心の部分を覗き込む苦痛。

 私は自分の判断を信用している人間である。その物事が正しいか間違っているかとか。
 だから他人にどんなにののしられても「それは正しくないもんね」と思うとあまりダメージを受けない。だからパワハラ上司とかは(ムカつくが)HEでもなかったのだ。
 ところがそれだけに「自分が悪かった」と痛感した時のダメージは半端ない。失言した時などは舌噛んで死にたくなるほどである。だからといってそういう失敗があまりなかったかといえば、そういう訳でもなく‥。

 で、目の前にちょっと死んでみたくなるようなインシデントレポート用紙が2枚。

 自分を強くする方法は‥?

 最近観たYouTube動画でアンチエイジングの本の紹介があった。なんと、アンチエイジングには苦痛が必要だというのだ。鈴木祐著「不老長寿メソッド」という本である。なんとこの本には、肉体的にも精神的にも若さを保つには『苦痛を与えて、その後に十分な癒し(回復)があり、それを繰り返すというプロセス』が必要だということだった。

 肉体的なトレーニングではよく言われることだが、筋トレをして筋繊維に一部ダメージを与え、その後の回復でより強い筋肉を作っていくというのを繰り返す。
 面白いのはこれは精神的な事にも当てはまるという事である。過度な苦痛、例えば肉体的にはケガ、精神的にはPTSDなどはダメだが、ほどほどの苦痛は精神的にも良いという。これは心理学で『心的外傷後成長』と呼ばれ「ネガティブ体験には認知コントロールスキルを発達させる働きがあり、苦境をくぐりぬけた人の多くは回復力を手に入れる」とケンブリッジ大学の研究結果をあげている。

 定年退職後のストレスレスな生活も決して良い訳ではないという私の持論にも合致する。適度な精神的ストレス+癒し(これは家族とのお祝い事や旅行かな)が必要なのだろう。嫌なことがあったら、自粛せずに楽しいことを積極的に探すのが正しい。
 そういえば、お葬式が派手で明るい国もあったよね。日本では難しいかもしれないが。私の父の3番目の奥さん(私は最初の妻の子)は父の葬式の夜、父が大好きだったというカラオケに行って(それが彼女なりの供養だったのだろう)親戚中から顰蹙をかったが、あながち間違いではなかったのかもしれない。

 大切なのはその苦痛の後にしっかり癒す(回復する)こと。これは忘れがちだ。筋トレも毎日するより間に休む日を入れて、週に2~3回がもっとも効果があるという。積極的な休養も必要ということである。

 ん?じゃあ今日、いきなりお休みをくれたのってそれ??一昨日までは仕事入ってたのに。(単にその仕事を任せるのはアブナイと思われただけかも)いや、そう思っとこうっと。
 とにかくまだ動揺収まらぬ今日はインシデントレポートのことは忘れてゆっくりしようかな。あ、逃げてるわけではないのよ。(言い訳するのが怪しい)

 「私を滅ぼすに至らないすべてのことが私を強くする」
 その本に紹介されていたニーチェの言葉だ。私にとってこの苦痛も私をきっと強くしてくれるに違いない。よね?(それよかもっと注意深くなって‥。)

 それではまたね。ごめんなさいませ。

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