仕事始めました! ⑮忘れ物魔人

 今仕事にしている訪問看護には、車が不可欠である。自宅で介護や医療処置を受けている人の所へ行くのに、公共交通機関では時間がかかりすぎるし、持って行く道具も少なくない。
 病院と違って、必要なものは殆ど何も無い所に行くのだから、訪問バッグは乳児を抱えたマミーバック並みの大きさである。と言ってもママになった事の無い人には分かりづらいか。

 重い荷物より大変なこと。それは‥。

 血圧計、体温計(私は従来型の細いものだが、非接触式のピストル型を持っている人もいる)、血中酸素濃度計、聴診器はもちろん、アルコール消毒液や石鹼液のボトル、ウエットティッシュや使い捨ての手袋や、シーツ。絆創膏、ガーゼなどの衛生材料、爪切りセット(手、足用、ヤスリなど)、無い所には体重計や足浴用バケツを持って行くときもある。

 到底徒歩オンリーでは無理だ。時にはこれらを抱えてコインパーキングからけっこう歩いたり、エレベーターの無い公団の5階に行ったりがある。慣れた看護師はこの中から次に行く患者さんに必要なモノだけをチョイスしたりもしているようだが(それでもってデイバックで背中にからっている人もいる)、新人の私にはまだそんな余裕は無く、取りあえずはいつも全部持って行く(さすがに体重計やバケツは要る時だけだ)。
 というか、私の場合一度出したらどこに置いたか分からなくなる可能性があるからだ。

 『忘れ物魔人』
 これは自分が自分に付けたあだ名である。遠い昔の学生時代に「~魔人」という呼び方が流行った。例えばよく授業中に寝ている人を「居眠り魔人」、遅刻が多い人を「遅刻魔人」と言うように。お分かりのように、けっして誉め言葉ではない。その人のよくやる失敗(欠点?)を揶揄する呼び名である。そして自分で言うのもナンだが、私は立派な「忘れ物魔人」なのである。

 コーラスの練習に楽譜を忘れる(昨日の練習では飲み物ボトルを持って行くのを忘れた。歌うと喉が渇くのだ。お茶まで入れてたのに!)ダンスの練習にシューズを忘れる。練習時ぐらいだったら大したことにならないが。

 あるコーラスの大会でのこと、沖縄であったので前日にホテル入り。当日の朝、直前練習(発声を十分にしないで本番にいきなりは臨めないので)の場所へ行って、練習後本番ホールへ行くスケジュールだったところ、練習場所で「あれ?私だけ荷物が少ない?」と。なんと本番衣装をホテルに忘れてきたのである。幸いにも(?)ホテルまでは歩いて戻れる距離だったとはいえ、走って取りに行き(6月の沖縄はもう既に十分暑い)汗だくになった覚えがある。

 自分が作ったミュージカルの本番に「本番用CD」を家に忘れたこともある。これも家まで30分だったので、慌てて取りに行けた。(ふぅ~ん、よく考えれば致命的なものは無いな、なんちゃって)
 
 何故忘れるか。立ち止まらないからである。家を出る時は玄関で、移動する時はその場で。何かに気をとられたまま行動するのが習慣になっていて、思考はもう次の場所に飛んで行っている。そろそろ何とかしましょうよ?

 仕事で忘れ物は辛さ10倍

 最近は自覚して、準備に関しては注意するのでかなり困ったことは減ったが、解決が難しいのは「出先」である。特に訪問看護の現場では。
 さすがに訪問バッグの中身は気を付けている。しかし中には足の踏み場の無い、または物の置き場の無いお宅(テーブルや棚や床にモノがところ狭しと置いてある)は、自分の物も埋もれやすくてアブナイ。そうでなくとも、何か気になっている事があれば目は見ているようで見ていず、手はもっているようで持っていず、ということが起きる。

 数日前は介護施設に入浴介助に行き、施設の玄関出てさて帰ろうした時手に提げているのが1個だけ⁉入る時は訪問バックと入浴介助セット(ゴム長靴やシャワーエプロン)の2つを持ってたはず!あろうことか、訪問バッグの方を忘れて手にあるのはゴム長靴オンリー‥。慌てて戻ろうにも、この施設は認知症の方もおられて入出チェックが厳重で、2か所の自動ドアを開けてもらわねばならない。自分を呪いながら平謝りでまた開けてもらったのは、言うまでもない。

 そして間を開けずにもう一件。患者のお宅に傘を忘れたのだ。行った時は小雨で、帰る時は雨は上がっていたというよくある話。しかし気づいたのがもう少し早かったら!オートロックのマンションを出た後だったのである。再度インターホン呼び出しするしかない。ああ‥。

 今までは狭い病院内だけの勤務、病室やナースステーションに何か忘れてもそんなに困らなかった。しかしこれからは。

 還暦を過ぎ、私の魔人としての魔の力は今後も拡大していくのは確実だろう。
 何か対策を考えるべき?

 ①立ち去る前にバッグ内をチェック(出したものは出来るだけ直ぐにしまう)。
 ②周りを見回す(一分ぐらいはかけて)
 ③「忘れ物ないよね」とつぶやく(自己確認と共に、気の利いた家族はそれとなく気にしてくれる?)
 ④傘は派手な色の物にして、玄関の外に置く(前回の敗因はマンションの玄関の電気が点いてなかったのと傘が黒だったせい?)

 少なくとも仕事の時はこれらをやってみよう。
 趣味や遊びの時は‥。友人達よ、よろしくね。

 それではまたね。ごめんなさいませ。

 

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