母乳育児 成功への道 -実践編⑨断乳と搾乳-

いよいよ実践編も今回で終わり。
辛くも幸せな授乳期間は卒乳・断乳で終わりを迎える(辛と幸って字似てなくない?)
一般的に指導されている3日間集中断乳法は、苦痛や日常生活の不便さが伴い、特に2人目以降で「とても何もせずにゆっくり(痛みに耐える)だけなんて無理」とか、実母や夫に「子供2人3日間も見れない」と拒否られた場合は難しい。
さして苦痛なく3日間過ごせた人もいるだろうが、私は、まだ8ヶ月の十分母乳が出る時期の断乳だった。「最初の子の時より張るだろうな‥。」

結論:搾乳が上手に出来ればこわいもの無し

断乳の方法 その2

私は痛みに弱いヘタレなんで、1回目の子の断乳に懲りてしまった。
そこで、時間はかかるがゆっくり母乳を減らしていく方法をとった。つまり、自然に子が飲まなくなって、母乳量が減り授乳が終わる(ああ、そういう人がウラヤマシイ)のを人為的におこそうというものだ。
今では「緩やかな断乳法」として紹介もされているが、27年前は助産師の間でもそういう選択肢は指導になかったように思う。

それは出していく母乳の量と回数を減らしていくだけである。
「その日」から一切子に吸わせないのは同じ。
それまでに1日何回飲ませてたかによるが、その半分位の回数の搾乳を始める。
食べない、冷やす、抜くは同じである。
ただ定期的にスッキリするまで絞るので、乳房の痛みは少ない。

たとえば初日から3日間1日3回(朝、午後、寝る前)搾乳をし、おっぱいの張り方をみてもうしばらく3回を続けるか、2回に減らすか決める。入浴や冷やす、も張り方みて。

そうやって2~3週間かけて1日1回までもっていく。そこからまた数週間かけて2~3日に1回、1週間に1回、2~3週間‥と間を開けていく。
完全に断乳するのは、3日間集中断乳の2倍の期間はかかるかもしれない。

気が遠くなる?毎日の搾乳が大変?
だがこれで私は苦痛なく普通の生活を滞りなく続けながら断乳できた。
搾乳の時間は1回30分ぐらいだし、子に飲ませないのでお椀に出してた。
これのメリットは詰まりにくいという事もある。乳腺炎の既往がある人にもお勧め。
自分のペースで進められる。仕事しながらでもさして問題ない。

搾乳方法をおぼえよう

この方法を行うにあたっては正しい搾乳方法で搾乳出来ることが前提となる。

搾乳の仕方はそれこそ助産師の間でも個々微妙に異なる(マッサージの仕方もしかり)これは同じ病院内でも統一はされてないと思っていい。以前にも書いたが、助産師は自分の信じるやり方でやる(お産の進め方もよ?)。そして他の助産師のやり方も尊重し「ん?」と思っても、相手が新人でなければ普通口を出さないのだ。
したがってここで言う正しい搾乳方法は、正確には「私が正しいと信じる」搾乳法だ。
多分あなたはまたちょっと違うやり方を指導されるかもしれない。

搾乳は、こういう断乳でももちろん乳腺炎(又はなりかけ)でも必要な技術だ。
たとえ完全自律哺乳(赤ちゃんがちゃんと欲しい量が自分で分かり、母乳も足りててそれに合わせて授乳すればいいだけ)であっても、ちょっと預ける時の一回分をとっておく等に便利だ。入院中に実地指導は受けとこう。
ここでは断乳時の時だけでなく、初期の搾乳もあわせて説明する。

搾乳方法
まず、歯磨き粉をチューブから出すように絞り出す、というイメージは捨ててもらおう。母乳はポンプ作用で出す。石油ストーブに給油するポンプ(手動の方ね)が近い。
私にまだPCのテクニックが無くここに乳房の断面図を持って来れないのが申し訳ないのだが、ググったりして見て欲しい。乳線の出口(乳管)のちょっと手前にそこだけ太くなっている乳管洞(乳管膨大部)というところがある(現在乳管洞の存在は否定されている。しかしあると想定して行った方が何故か出やすい。ホントに無いのか?)それが給油ポンプでいう赤い握るところだ。ここに母乳は一旦溜まっている(として)、ここを押すと母乳は押し出され出てくる。乳腺は一方通行で戻っては行かない。押すのを緩めるとポンプ作用でまた奥から乳汁が乳管洞に流れ込むの繰り返し、と考えて。

メカニズムを理解してもらったら次は方法。
1.利き手の親指と人差し指の第一関節の指の腹を乳輪と皮膚の境目辺りに上下(又
  は左右)にあてる。あとの3本の指は下から乳房を支える。
  乳房の大きな人はポイントも深いので、乳輪の外でもよい。

2.乳頭の先から4~5㎝の深さに柔らかい煮豆が埋まっていると想像して
  (そこがポイント)あてた2本の指で、その煮豆を指の腹でつぶすように
  押しながらつぶす。

  難しいのは「自分を押しながら」だ。ここでみんな「?」という顔をする。
  ただ指をあてた所をつまんだだけでは乳輪部分だけをつまんでしまう。皆さん
  どうしても絞り出すという概念なんだな。煮豆はあなたが思うよりもっと深い。
  深い所をつまもうとしたら必然的に自分の方を押しながら、になる。

3.それと大切なのは一番良く出る深さを探すこと。
  つまむ深さを少しずつ深くしていったら、ここだ!という所がある。
  自分のベストポジションを見つけよう。

4.乳首の下縁に容器(哺乳瓶)をあてる。
  分泌量が少なくまだ飛ぶように出ないうちは、あてておかないと下に流れ落ちる。

5.上下につまむ(タテ搾り)だけでなく、下から左右につまむ(ヨコ搾り)もする。
  タテだと上下、ヨコだと左右の乳腺に溜まっている乳汁を出しやすい。
  特に脇側がよく張る人はヨコがお勧め。

6.片方ずつ搾るより両方の胸を出しておいて、交互にやった方が効率が良い。
  時々乳房を揺らして乳汁を中央に集める。
  授乳の時でもそうだが、強い射乳反射が起きない限り、辺縁の乳汁は動かない。
  乳腺・乳管は一方通行なので揺らす事(振動を与える)で出口の方に動いていく。
  「出が悪くなったなー」と思ったら、授乳・搾乳の途中で揺らすこと。
  脇や下の方は乳汁がうっ滞しやすい所。揺らしてしこりが無くなる事もある。

7.搾乳した母乳は生ものだ。搾乳にかかる時間は30分以内で。
  すぐに飲まさない時は冷蔵庫保存。
  家庭用なら、冷蔵24時間以内、冷凍は3日以内が無難ではないだろうか。
  赤ちゃんは冷たいお飲み物は嫌い。(冷めてしまったミルクも)
  温めは基本湯せん。高熱で母乳のタンパク質が変性するので電子レンジは難しい。
  低温機能ならいいだろうが、70度以上にしないようゆっくりだよ?
  途中までという手もあるが。哺乳瓶だけ熱くなってる事もある。
  量が少ないなら、冷凍でも2~3回お湯を替えて温めるのが安全かな。

乳輪部分でも、こさぎ出す(コレ方言?こする様に搾る事ね)でも出るには出る。
だが、比べてみたら分かる。どっちが出るか。
それと、こさぎ出すことの弊害。何度も同じ所の皮膚をこするので、その摩擦で皮膚が痛み「搾りキズ」ができるのだ。
こすらない!指は置いた場所から動かさず煮豆をつぶしたら、つまむ力を抜く。
1回1回指を離す人がいるが、力抜くだけで十分。

特にまだ射乳反射に頼れない産後1週間未満は、これで地道に出すしかない。
たとえば、赤ちゃんが保育器に入っていて直接授乳ができない。
     乳頭の問題(扁平・陥没やキズ)で吸わせられない。
など。
母乳は出した分だけまた作ろうとする。出さなければ身体は母乳を作らなくなる(それが断乳だ)。だから赤ちゃんが吸い出せないならママが少しでも出していく。それも3時間ごとにがベスト(マストではないよ、体調とかと相談して)。赤ちゃんが側にいないのなら乳首の刺激でホルモン分泌も促したい。(乳首の刺激によるプロラクチンの分泌効果は産後10~40日がピークでその後はあまり変わらないんですって)
乳輪が柔らかくなるのにも役立つ。

射乳反射が始まればことはずっと楽になる。反射の波に乗ればよい。
その点、断乳の時の搾乳は楽なのだ。

「私もいろいろあったけど、母乳で育てられて幸せだったな~」と時々、おっさんになってもう可愛くない息子たちを見て、懐かしく思い出す。はぐはぐとくわえている我が子のおっぱいを触る小さな熱い手。
そう、授乳期間は終わってしまったら二度と戻らない。
たとえその時どんなに辛いことがあっても、そこに成長した我が子がいれば、甘い甘い思い出と変化して私を幸せにする。

あなたにも幸せを。ここまで読んで下さって有難う。

次回は違うテーマでお会いしましょう。ごめんなさいませ。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました