訪問看護日誌6 シルバーミニマリスト①

 若者の一部の間でミニマリストに共鳴する人が増えている。ここで私が言う若者とは20~30代のことだ。勿論全世代にいるだろうが、圧倒的に若い独身者が多いだろう。昨今随分市民権を得てきたとは思うが、ご存じない方の為に簡単に説明すると「ミニマリストとは持ち物を厳選し最小限にして生活をよりシンプルに快適化する生き方を目指す人」である。

日本人よ、昔に戻れ!?

 ミニマリストが出された本にはスッキリとホテルの様に片付いて、シンプルなたたずまいの居間やキッチンの写真が多く載せられている。ああ素敵!と思わずにはいられない。居間キッチンはちょっと気を抜くだけでモノがどんどん増える場所だからだ。モノを片付けない家族(子供や夫)がいればなおさらである。いや、今や主婦だとて仕事や子育てに追われていては片付けは後回しだ。困難だからこそその維持も難しく、憧れるのだ。

 ミニマリストの台頭にはPC、スマホの存在ゆえである。これらがあれば、かって部屋を占領していたテレビ、オーディオ、本棚(つまり本や紙類)は無くてもやっていける。電話機やカメラやボイスレコーダーや懐中電灯、タイマー、目覚まし時計などのこざこざした(これ方言?)小物も要らない。

 今やほとんどの機器が多機能で、あれこれ揃える必要も無い。かって単一機能だった電子レンジ、オーブン、グリルは一台で済むのは当たり前、ウインドファンは温風と冷風どっちも出る。昔は洗濯機と乾燥機も別だったのを覚えている方は私より年上?ウォシュレットだって外国のホテルに行けば便器の他にビデがある。全ては狭い日本の狭い住居、高い家賃に適応し発達したものだろう。

 でも考えてみれば一つのものを多機能に使うという事は日本人は昔からやってきたことだった。一つの部屋に脚は折り畳みのちゃぶ台出してご飯を食べ、その台は物書きなどの作業にも使い、夜は台を畳んで布団を敷いて寝る。大きな家では部屋は続き間になっていてふすまを開け放てば大人数の入る広間にもなった。

 しかし昭和に席捲した公団に代表される洋風の間取りは一々片付ける手間を省いて主婦層の支持を受け、みるみる日本中に広がっていった。今思えばそれがモノが増えていく前兆の一つだったのだ。当時の憧れの公団住宅にあったのは、ダイニングテーブルセット、応接セット、各自のベッドである。プライベートという概念が浸透し、家を新築する際には親の寝室と子供部屋が別々に必ず作られるようになる。そこには必ずベッドがあり、布団の上げ下ろしは不要。誰に見られるわけでもないからベッドメイキングも無し。台所はと見ればダイニングテーブルやコンロ脇の上塩や醤油などの調味料を置いている家は多い。鍋やお玉などを壁にぶら下げてたりもする。

高齢者を阻むミニマリストへの道

 何を隠そう私もミニマリストに憧れている。しかし「憧れる」のは簡単だが「実現」は富士山登頂ほどの努力が要る(いや、登った事はないが)。何度も挑戦してるが気がつけばダイニングテーブルにはモノが乱立、いやダイニングテーブルだけでない。サイドボードの上は勿論、ウチは対面キッチンなので流し台には流しの反対側にもスペースがあり、、。モノが置けるところにはついモノを置いてしまうモノの3密状態と化してしまう。

 何故か。

 理由その① 出したり片付けるのが面倒だから

  どうせすぐ使うから(いやいやホントはそんなに頻繁には使わない)と思う。立ち上がったり所定の場所が違うと尚更だ。

 理由その② 目の前から消えると存在を忘れてしまうから。

  とれてしまったボタン、書き上げないといけない書類やアンケート、整理しなくてはいけない資料や楽譜。やろうと思っていた事さえ忘れてしまう。

 理由その③ どこに片付けたか分からなくなる

  そして必要なとき「あれ、どこにしまったんだっけ」と探し回ることになる。

 理由その④ その状態に慣れる

  人間には適応力という素晴らしい能力があり、良い環境にも悪い環境にもなれてしまう。タワマンに引っ越して最初は感動したその眺望に次第に慣れてしまうように。最初感じた冷蔵庫の悪臭も徐々に気にならなくなるように。いつもモノが雑多にある風景にも違和感を感じなくなる。

 理由その⑤ モノが多すぎる

  高度成長時代、消費と購買が豊かさの象徴だった時代に生きてきた世代(つまり私も)欲しい物はバンバン買う事に何の抵抗も無く(昔はね)。気が付けば服はタンスとファッションハンガーにぎっしり、食器は大きな食器棚を買ってアレコレ揃え、鍋もボールもタッパーもこんなには要らんだろ状態。そして捨てれない。そして新聞紙や紙袋やメモ用紙など。『いつか使うかも症候群』である。

 

 つまり年齢性別関係なく片付けないのは人間の性ではあるのだが、高齢になると特に拍車がかかる。一人暮らしの高齢者の所に訪問にいくと室内が雑然としているのはほぼ標準装備。そうなると当たり前だが掃除も行き届かず、薄っすらホコリを被っているのも(視力が悪くなってみえてない?)高齢者宅ならではである。また足腰に痛みや不自由さ、持病のある方も多く、重い引き出しや扉に苦労する場合もある。そうなると片付ける気力も萎える。

 またスマホや多機能家電を使いこなせないのもモノが増えてしまう要因だろう。

 気持ちはわかる、とっても。しかし私はこれではいけない、何とかしなくてはと思えるうちに出来るうちに(きっとあと10年後はもっと事は困難になってるだろうから)シルバーミニマリストを目指して動き始めたのである。

 それでは続きは次回で!またね。

 

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