「酒は百薬の長」というのは酒好きの酒を飲む言い訳に良く使われる。
幾つかの研究結果でも何故か「全然飲まない」より「時々飲む」の方が、ガンや脳梗塞などの発症リスクが低くなるというのが出ている。
あくまでも「時々」である。「毎日飲む」になると、当然これらのリスクは「飲まない」より高くなる。特にアルコールが分解されて出来るアセトアルデヒドには発がん性が認められている。
発がん性があるからといって、じゃあお酒は悪かというとそうとばかりは言えなくて。
お酒による酩酊で生きる幸せを感じる人もいるだろう。
お酒に弱いって損?
残念ながら私はその酩酊感を味わったことがない。気持ちがよくなる前に、気持ちが悪くなってしまう。父や兄は酒好きで、よく実家で「いつまで飲んでるの!」と私に言われるぐらいダラダラと美味しそうに飲んでいた。つまり酒に強い。
兄は父からアルコールを分解する体質を受け継いで、私はそれに関しては飲めなかった母から受け継いだのだろうと単純に思っていた。
アルコールの分解に関与する酵素(アルコール脱水素酵素)はアルコールを上手く『分解できる型』と『出来ない型』と2種類あって誰でもこの2つの組み合わせで持っているらしい。
パターンは3つ。『できる』『できる』、『できる』『できない』、『できない』『できない』である。そしてこれは血液型みたいに1つづつ親からもらう。
あれ?じゃあ酒に強い兄は、弱い母からも遺伝情報は貰っているはずだし、弱い私は強い父からも受け継いでいるはずなんだけど?父はあんなに強いのだから『できる』『できる』じゃなかったの?
母が飲めなかったのは『できない』『できない』じゃなかったの?
そこで、お酒に関係するもう一つの酵素がでてくる。アルコールが分解されてできたアセトアルデヒドを分解する酵素である。アセトアルデヒドは身体には有毒で二日酔いの原因にもなる物質。
この酵素も遺伝で決まる。顔が赤くなるのもこのアセトアルデヒドの血管拡張作用だそう。
厳密にはアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)は2種類あり、そのうちのALDH2が欠損しているとお酒に弱いと言われているが、もともと日本人を含むモンゴロイドは欠損の割合が40%以上。ちなみにアフリカや欧米人はほぼ0%だ。だから、あんなウォッカなんて度数の高い酒を飲めるのね。
アルコールの酩酊感は、肝臓で対処できなかった分が脳へ届き神経作用をおこしたもの。つまり私は飲んだアルコールはさっさとアセトアルデヒドに変える酵素は父から貰ったが、アセトアルデヒドの方は母から分解できない方を貰っていたので、早々に気分が悪くなったってこと?
ALDHは4つのパーツでできていて、このなかに1つでもALDH2が欠損しているのが混じっていたら、ろくに働いてくれないという。兄はたまたま欠損のない所を引き当てたのだろう。
だから兄はアルコールもアセトアルデヒドの分解もいいせいか、相当飲み進まないと酔わない。酔い乱れた所はほとんど見たことが無いといっていい。
「美味いワインを飲むため」にわざわざヨーロッパに行ったり、嫁から休肝日を作ってくれと言われるほどの酒好き。そして60代で胃ガン。
いくら分解能力がいいからって、いつも胃をアセトアルデヒドに曝していたらなるわな。
人間は一度知った楽しみ(快楽?)からはなかなか抜け出せない。
最初から飲酒を禁じているイスラム教は賢明と言うべきか。
ちなみにアルコールを分解してくれるのはこれらだけでなく、飲んで鍛えられるものも多少はあるそうだがあくまで補助的な効力にとどまる。しかもそれは年齢が行くほどに弱くなるのだから。
飲酒の楽しさは、東洋ではある意味選ばれし人達だけの特権なのかもしれない。私にはもう一生味わえないかもしれないが、そもそも知らないのでそう悔しくも無いというところかな。
汗だくの暑い日の1杯のキンキンに冷えたビールは確かに素晴らしい。しかし私にとっては、それが冷たくて炭酸の刺激のあるほろ苦い飲み物であればノンアルコールでも同じという事である
毎日の酒やタバコで節約生活は無理‥よねぇ?
まあ何にでもだが、楽しみには出費が付き物。毎日の晩酌の酒、それに合う肴やおつまみ代を考えると節約には少々都合が悪い。今はコロナでまだ自粛ムードだが、飲み会の出費もバカにならないだろう。
リストラ生活中なんで酒好きでなくて良かったな。
休日の前だけ、イベントの時だけと時々楽しむのがベスト‥というか、毎日飲みたくなるのって、それ依存症に片足つっこんでない?
依存症は頻繁に血中にアルコールがあることで脳の神経伝達がアルコールモードに設定され、アルコールが切れてくると離脱症状がおきてくる。タバコのニコチンと一緒だね。どちらもこれのせいで止められず、酒とタバコの会社をウハウハ喜ばせている。あ、それと高額納税ね。
偏見だったらごめんなさいだが、私の知ってる限りでは低所得者層の女性ほど喫煙の割合が多い気がするのだが。タバコ代ってバカにならないだろうに。その金額で高級化粧品が買えるよ?
「何にお金使おうと勝手でしょ」はい、スイマセン。
少なくてもお酒は楽しく飲もう。やけ酒はお酒がもったいない気がする。失恋したり、仕事で失敗したり、一時でも辛い出来事を忘れたくて酒を飲みたくなる時もあるだろう。(かっての私の場合はやけ食いね)
飲んでる間や食べてる間は確かに忘れられる。だがお酒を飲んでも問題は解決しないし。アセトアルデヒドさんにハンマーで頭を叩かれるだけ、と誰かが言ってた。(私は体重が増えて自己嫌悪)
これを読んでくれているお若い人にご提案。
忘れたい事があったら、運動するか本を読むか。運動といってもスポーツだけではなく、無心に身体を動かすこと。夜でなかったらちょっと普段行かないような所をひたすら歩く。またスポーツクラブや公共施設でひたすら走る。夜中でも開いててビジターで参加できるところは沢山ある。
または、インドア派なら読書を。ハッピーエンドになる感動ものとか。私は夫との関係が悪くなった時これで乗り切ったといっていい。その時、中古本屋で買った本(1冊100円位)が500冊近くになった。当時を懐かしみながら、今せっせと1冊1冊お別れに1読しては処分する、を進めている。
運動と読書は心を安定に導いて、そのうち解決への道を照らしてくれる。
お酒や食べ物は安易に手に入るが過剰だと、脳と感情を鈍らせるだけ。
お酒の飲めない私がお酒の事を語るのはどうなんだ、と思われるかもしれないが、酒好きで一度胃がんになり最後は肝内胆管がんで亡くなった父と、胃がんが見つかった兄を持つ身の私は、酒好きの皆さんに幸あれと願うばかりである。
それではまた。ごめんなさいませ~。


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