60才からの美容術 ㉖未来は知りたいか?

 若い女性は占いが好きである。女性雑誌には大抵占いページがあるし、年末年始には書店に占い本が積まれ、見ているのはだいたい女性。おみくじを買うのも女性が多い気がする。
 女性は昔から幸せになれるかどうかは運命に大きく左右されてきて、外見以外の能力で運命を切り開く男性社会とは一線を引かれていた。たとえ美人であっても運が悪ければ不幸になる。それだけに未来を教え、災いを防いでくれると信じて占いにすがったのだろう。

若い時には占いは必要かも?

 男性も占いを委棄していた訳ではなく、太古では政治に欠かせない時代もあった。戦の勝敗、作物のの稔り具合など、占いで背中を押してもらって希望を持たないと生きていけかった過酷な時代が。
 ただ今では人間がコントロールできる範囲が広がったおかげで、占いに頼らなくても良くなったのだ。星占い、動物占い、13星座占い、四柱推命、六星占術など。いい事は信じて喜び話のネタに、悪い事は後から自分を納得させる理由に使うアイテムというのが現代の風潮かな。

 最も占いを信じたがるのは結婚前の若い女性。そして一番の関心事は結婚である。なんせ結婚は人生を大きく変える出来事だ。するかしないか。いつするのか。(今は何度するのかまで)シンデレラのように、幸せな結婚は幸せな人生の象徴というイメージを持っている。真実はそうでないが、取りあえず目指す目標としての富士山の五合目である。そこに辿り着かないことには最高の幸せに上り詰めることが出来ないと。(富士山以外にも山は沢山あるけどね)

 最高の幸せとは。
 素晴らしい伴侶を得て、素晴らしい子供を育て、家族に愛されて人生を全うする。
「そんなのもん、相当な努力と忍耐無しに手に入るもんか」と今なら分かるのだが、まあ、分からないのは無理もない。最初から分かっていたら望まないだろうし。

 人生という先の見えない迷路で、少しでも不安を減らして希望を持ちたい乙女たちの思い。それを利用した職業も多々あり、私も若い頃は色々利用されたものだ。『当たる』と評判の占い師にみてもらいに行ったり、毎年のように占い本買ったり。後悔はしていない。その中での良い予言が自分を支えてくれた部分もあったと思うからね。

 だが、今は不要だ。
 人生100年時代がもうすぐ到来するとは言われているも、100才まで生きるのはまだまだ少数派。80代後半の平均寿命からしたら、60才の今の余命は後25年余り。大体予想のつく生活だ。
 大きな成功(成功にはそれなりの苦労があるのも理解しているし)も無いかわりに小さな喜びや幸せを積み上げるという人生の仕組みが見えている。老いて身体が段々不自由になるのも予想済み。適応しながら人生を楽しむことはできるだろう。
 恐れているのは、子供の死に目に会う事と、自分の早すぎる不治の病ぐらいかな。他の不幸は辛いだろうが立ち直れると思っている。(つまり前述の二つは立ち直る自信がない)
 だから占いで知りたい事はもう無いのである。あと25年、ワクワクドキドキして生活したいと考えているだけなのだ。

占いは超能力⁉

 占いは基本の規則性はあっても(星占いや四柱推命などはもはや一種の学問だ)やはり正確かどうかは読み取る人間の解釈次第。それはある種の超能力だ。『予知能力』ともいえる。超能力を信じるかどうかは賛否分かれるところだが、私は否定派寄りかな。

 だって予知能力の無い占い師さんて「同じ境遇なら誰でも当てはまるじゃん」な答えだったもん。それでもそれは良心的と言えるかも。どうかしたら色々断言されても『嘘八百』だった事もある。

 絶対に超能力者はいないとは断言しないが、そうだと言っている人(ある意味街角の占い師も自分は超能力者だと言ってるようなものだよね)の99.9%はそうではないだろう。そして、実は私達もそのことは頭のどこかで分かっている。本当の超能力者なら黙って一般人に紛れているだろうね。だって、大変だもの。

 テレビで、外国で超能力者が難事件を解決するドキュメンタリーを観たことがある。その人は過去の出来事に対して透視能力があるということだった。番組では行方不明者がもう死体になっていて、どういう地域の海の中で、どんな状態かを言い当てた。思考を集中させて、浮かんでくる映像を紙に写し取るのだという。
 しかし何でも分かる訳じゃなく、たまたま上手くいった事例だろう。いつも上手く行くなら警察は未解決事件を無くせるし、周りも放っておかない。人は自分のプライベートなことは秘密にしたいから、親密になってくれる人がいなくなる。平安な人生は望めないんじゃないかな。
 番組になっている時点で超能力者ではなくエンターテイメンターである。

 なのにこの手の話題や題材とした映画や漫画が後を絶たないのは、どこかで信じたいと切に願っている思いが人々の心にあるからだろうなあ。宗教では超能力をモロに肯定してるし。世界の宗教人口を考えたら信じている人の方が多いかもしれない。無宗教が大多数の日本人の方が珍しいのかな?

 私が昔みてもらった占い師さんは「あまりに悪い事は教えない」と言っていた。おみくじも「凶」より「大吉」の方を多く入れているというし。
 人間は失敗を予想して行うより、成功を予想してやった方が成功率が上がるという。そうやって『嘘かもしてない』と分かってても明るい未来を信じることの大切さを、昔の人も知っていたのだね。

それではまた次回。ごめんなさいませ。

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