何らかのお稽古事を続けていると、必ずといっていいほど「発表会」なるものがある。やってるお稽古の習熟度を、見せるためと上げる為である。
スポーツならこれは試合をすることや「大会」での順位などで分かるが、文化・芸術的なモノはそういう場を作らねばならない。絵画や書道、手芸作品などの展覧会もあるが、やはり多いのはダンスと音楽関係だ。『人に見てもらう(聴いてもらう)』ことでヒトはいつも以上に頑張ることになる。
学校でいえば定期テストのようなものだ。
発表会は必要!でも‥。
テストと違うのは強制ではないこと。やりたくなきゃやらないという選択は出来ない事もない。まあ、断りにくいけどね。これらはみな『趣味の範囲』でやってるので(そうでないのはプロという)他に優先することがあったら、しばしば「発表」の場には参加できない。自分や家族の病気、進学や仕事の関係。そして経済的な問題などで。
なぜなら普通これには時間とお金が必要なことが多いからである。
私が独身の頃、世はワークアウトブームで若い女性はみなカラフルなレオタードに身を包み、ポップな音楽で身体を動かしていた。エアロビクスやジャズダンス全盛の時代である。
私も就職してストレスで小太りになった身体をどうにかすべく、ジャズダンスを始めたのだった。
そこそこのスタジオで違うだろうが、私が通っていた所は2年に1度、大きなホールを借りての発表会があった。出演料かチケットノルマ(もしくは両方)何曲踊るかによってそれに必要な衣装やシューズ、場合によってはその為に増えるレッスン費用がかかり、発表会の度に最新家電が買えるほどの金額になったがさほど惜しいとは思わなかった。独身貴族だったし、世の中はまだバブルだったのもある。
結婚して子供が出来て続けられる趣味ではなく、そのスタジオ派遣で公民館へ教えに行ってた程、のめり込んだ趣味だったが止めざるをえなかったのである。
クラシックバレエもしかり。ジャズダンスの上達の為ににバレエも始めたが、やはり衣装は特注なので高い。それでなくてもバレエは他の習い事より月謝は高めだし、トゥシューズは半年も持たずに買い替えていかねばならず維持費がかかる。
まあ、私は初心者の群舞のみだったが、パドドゥ(男性とのデュエット)なら、そのお相手の費用まで負担すると聞いた。(普通のバレエスタジオには男性ソリストは居ないので依頼して来てもらう)ウン十万単位である。お金持ちの子女しか無理。いや、上手にならなければそんな役は回ってこないから。
日本舞踊はそれ以上に衣装にお金がかかると聞いたけど、ホントの所どうなのかしらん。
時間が出来たのと体力の衰えを危惧して、またダンスがしたいとあちこち探していたのだが、いかんせん障害は経済的問題である。もうダンスの発表会に出る余力はない。何故ならもう一つの趣味で、すでに多少のお金がかかるからである。
もう一つの趣味とはコーラスなのだが、これも大会や発表会がある。大会は毎年他県であるので遠征になる。衣装も要る。二つは無理だ。
ダンスはもちろん踊る事を楽しむためではあるが、体力と柔軟性を保つため。発表会が無くて、でも筋トレやダンスが出来る所が必要だった。エアロビクスではダメなのだ。なまじバレエもかじったのでバレエ要素(つま先や手先の美しさやテクニック)の無いものでは満足できない。
で、腹筋もガツガツやり、バレエのバーレッスンもして、そのあとジャズダンスをするという珍しい所を見付けたのだった。メンバーは皆私と同じ世代なので目的は一緒だし。(つまり身体のコンディショニングが目的で、ダンスのテクニックの上達ではない)
エアロビックダンスはダンスとついているが、ダンスではない。エアロビにおいてはプロが大会でパフォーマンスするものだけダンスだと思う。何故なら一般での目的が『運動すること』だからだ。ほとんどの人が「身体にいいから」やっている。
ジャズダンスをしていた時に「ジャズダンスとエアロビと何が違うの?」とよく聞かれたが、ジャズダンスの目的は他の芸術と同じく『表現すること』である。動きやリズムの取り方が全然違うのに、違いが分からない人がいる事にビックリだった。見た目の格好が同じだったら同じように見えるってことだね。私もハエとアブの違いが分からないし。(変な例え‥。)
ダンスは(やる目的がどうであれ)芸術である。どんな踊りでも見る人と踊る人が存在する。うまい下手があり、やる以上はだれでも上手くなりたい。その為に発表会。
確かに発表会の度に上手くはなる。練習量は増えるし必死になる。上手くなりたい人には必須だ。しかし疑問に思う事がいくつかある。
なぜ発表会に入場料がある?
確かにお金はかかる。大きな会場。プロの照明や音響を雇い、場合によっては舞台装置も。だが、それをチケット代として賄うことに私はなんか腑に落ちないのだ。
発表会は素人の発表の場である。そもそも素人の演目に料金が何故発生する?
チケットノルマは、一人10~20枚ぐらいで1枚2000円~3000円?もちろん割り当て分は生徒の買い取りだが、売れればその分負担が少なくなる。でも、素人の発表会だよ?だれが買う?生徒の方も売りにくい。したがってほとんどの場合無償でチケットを配る。
指導者からは「チケットは差しあげずになるべく売って」と言われるらしい。貰ったチケットは簡単に反故にして見にこないからと。そりゃ席は埋めたいでしょうが。売れないって!
人は価値があると認めたモノにしか代価を払わないのだ。人々がチケットを買うのならそれはプロで興行できるということで、素人がやる発表会のチケットがなぜ有料なのか疑問なのだ。
発表会に費用がかかるというなら、『出演料』として生徒から徴収すればいいのであって、チケット売れば負担が少なくなる、なんてまるでマルチ商法みたいなやなカンジ。
以前誰かが「応援してあげる為に私は買ってるわ」という人がいたが、チケット代として実際何に使われたか分からないより、直接『金一封』渡した方が応援としては確実ではないのか?
結局チケットを買うのは祖父母か、以前こちらが買ってあげてお互い様の人ぐらいである。
多くのお稽古事ではこういう発表会の会計報告が生徒側にされることなく、一部は自営業者である指導者のボーナスの代わりになっているのではないかと考えるのはうがちすぎだろうか。それが悪いと言っているわけではない。発表会は指導者は大変なのは分かるので報酬は必要だと思う。
ただ、それらがうやむやなのがスッキリしないだけ。
ま、知らない事がいいこともあるってか。(今回は愚痴っぽいな)
先日友人がやっているギターの発表会に行ってきた。入場は自由で、所用で途中で抜けなくてはならなかったが(最後の先生方の演奏が聴きたかった!)、こじんまりした会場で演奏者と観客も近く、アットホームないい演奏会だった。こんな発表会ならいくらでも行きたいなぁ。
ちなみに私が入っているコーラスサークルは運営はサークル側で行い、指導者には謝礼を支払うというシステムなので明朗会計だ。ダンスには発表会は無いのは前述の通り。
そして私が主宰している劇団の公演は入場無料である。素人劇団なんでね。
それではまた次回。ごめんなさいませ。


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