帝王切開ってどういうもの? -流れと注意-

お産の進行中に、陣痛に我慢できなくなったママから「もう、(お腹を)切ってください」と言われることがある。
前回の「帝王切開と無痛分娩、する理由しない理由」で挙げた帝王切開の条件に当てはまってなければ、「はい、じゃあしましょう」とは直ぐにはならないのだが。
帝王切開はママには麻酔・手術リスクや術後の痛みなどの負担はあるが、赤ちゃんにとって最もストレスのない安全な分娩方法なのである。
今回の結論。

帝王切開は、よく知ればこわくない

赤ちゃんにとって自然分娩は大変

自然分娩は赤ちゃんにとっても一大事業である。
最初は陣痛のたびに、頭を何度も何度も肉の壁に押し付けられる。骨盤にはばまれ頭の向きを変えたり、頭の骨の継ぎ目を重ねて少しでも頭を小さくしたり。やっと子宮から頭が出られても、キチキチに狭いトンネルを進む。
おかげで顔ももみくちゃにされて、生まれたての赤ちゃんは顔がむくんでる
「え~ぜんぜん似てないやん」の判断は少し待ってほしい。

何より赤ちゃんに負担なのは低酸素リスクである。
赤ちゃんはへその緒を通じて栄養・酸素をもらっているが、陣痛が始まると陣痛(子宮収縮)のたびに血流量は減り、ちょっと息苦しくなる。
元気な赤ちゃんなら予備能力があり、陣痛の合間に一息つきながら耐え抜ける。
しかし予備能力が少なかったり、胎盤やへその緒(これらは酸素供給装置だね)に不具合があれば、自然分娩は難しくなる。

自然分娩できるかどうか
その判断におおいに役立つのが胎児心拍モニターだ。
逆子、双子、前回帝王切開など赤ちゃん元気でも帝王切開になるケース以外は、ほとんどこれで決まるといっていい。
胎児心拍モニター「今現在赤ちゃん元気か」「お産に耐えれる力があるか」をみる大切な指標である。

もし帝王切開と言われたら

【緊急でない場合】
1.剃毛とシャワー:昔は全剃毛でお下のケは全部剃っていたが、今は両足閉じて見える部分ぐらいを剃る(帝王切開○回目とかで慣れてる人はお家で剃ってくる事もある)
次にシャワーに入れるのは術後2日目ぐらい。必ず洗髪もしとこう。

2.絶飲食:いつからは手術時刻や主治医の方針にもよるが、通常手術前日夜から。
いつから食べれるか。経過が順調なら手術の翌日から飲水から始まる。
術後食(お粥など)から常食への移り方はそこそこの病院で違うかな。

3.手術当日:排便無ければ浣腸。術後血栓予防のハイソックスをはく。
点滴が始まり、時刻まで待つ。胎児心拍モニターもとる。

4.手術室:点滴したまま入室。尿カテーテルと医師による硬膜外チューブ挿入。
最初の局所麻酔の注射は痛いが、ここが過ぎれば手術後までもう痛くない。
赤ちゃんが出るまでは意識があることが多い。その後は眠らされる(縫うだけだから)
意識があるのが怖ければ(痛くないけどね)頼んどけば、寝かせてくれる。

5.術後:一番気になるのが術後の痛みだろう。
だいたいは硬膜外チューブから持続的に麻酔薬が注入されているが、それだけでは痛みは収まらない事は多い。
ただ麻酔が切れてきて、いつから痛みが出てくるかや痛みの感じ方は個人差があり、早ければ2~3時間後には追加の痛み止めを使う人もいれば、翌朝まで「なんとか大丈夫でした」と何も使わなかった人もいる。

追加の痛み止めには  ①点滴 ②筋肉注射 ③硬膜外への薬剤増量 ④座薬
などがあり、これも効く人効かない人いるのでやってみないと分からないってところ。
一番鎮痛効果があるのは、④座薬だが、これは術後すぐには使えないし喘息ある人にも使えない。
見たところ、術後2~6時間が痛みのヤマで、ここを過ぎれば楽になってくる。

6.翌日以降:翌日には硬膜外チューブと尿カテーテルを抜いて、トイレ歩行
飲水や食事の開始あれば、痛み止めも内服薬が使える。
点滴は抗生剤が数日あるだろう。
お腹のキズには今は入院中貼りっぱなしのシート状ものが貼られてる。シャワーでこすらない様注意。
まれに絆創膏部分にかぶれる人がいるので、あまりにも痒い時はスタッフに伝えて。
だいたい今はキズは横切り(横切開)で抜糸はない。

授乳などの育児が始まるのは、体調にもよるが2~3日後から。
妊娠中に乳首の手入れやマッサージが出来なかった人は、翌日からせっせと始めてね。
乳首が硬かったら赤ちゃんに嫌がられますぞ。

一応術前に入院スケジュール表を渡されて説明があると思う。術前のヒマなうちにマジマジみてて。意外と読んでもらえてない。まあ面白いものじゃないが。

以上が帝王切開のときの流れである。
もちろん自然分娩ができるにこしたことはないが、帝王切開でも母として人間としての忍耐や覚悟を問われる貴重な経験だと思う。

我が子を想う愛情に産み方は関係ない。
我が子を得る幸せに変わりはない。

ぜひ勇気を持って取り組んでほしい。

それではまた。ごめんなさいませ。
 

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