忙しいと出来ない事がある。先を見通し、その対策をとる事である。
例年、誰もが忙しい年末。通常の年であったなら車の数が増えたことにブウブウ言いながら、忘年会やクリスマス会をこなし、いつ実家に帰省しようかなと考えていた頃だ。
そしてどの家庭でも行くであろう年末年始の食料の買い出し。今でこそスーパーは年中無休だが、私が子供の頃は正月の1、2日は店がお休みの所が多く、年末にはその分の食料も買いためておかねばならなかった。学校、職場が一斉に休みのため、主婦は約1週間の家族の3度の食事の心配をしなくてはならなかったのだ。(それは今もそうだが)
そして食料品店はお客でごった返す。
お正月の思い出は
この時期、日本人の平均的家庭では働き手にボーナスが出てちょっと気分が大きくなる。だからいつも以上に贅沢食材が売れるのである。しかし今年はコロナ禍でボーナスや賃金がカットされた所も多いと聞く。だからといって今年の年末年始をいきなり皆な質素にするかと言えば、そうはならないと思うな。忘年会などが無かった代わりを家庭に求めるだろうね。
昔、私の実家は丸ごとブリを買って正月に刺身、雑煮、塩焼き、煮付けと「もうブリはいい」と言うくらい食べ倒した。普段はブリは高級であまり食べれなかったので。
そして年末はステーキやすき焼きの肉三昧である。父はずっとそれらを肴に酒を飲み、母はずっと台所にいた。今考えれば、その当時専業主婦が殆どの中、母は珍しく仕事をもっていた。母には年末年始は休みではなく、ただただ忙しいだけだったろう。覚えているのは、私が「あれ食べたい、これ食べたい」というものをせっせと作ってくれたこと。自分が休みたいとか遊びたいより、家族を優先してくれたこと。
愛されて育てられたという記憶は、どんな贅沢よりも子供には必要だ。この世界で自分の存在が肯定された証なのだから。
年末の買い出しは28日迄に
さて、一年で最も「食っちゃあ寝」を国民単位で行う時期を目の前にして、私は昨日、今年最後の食料買い出しに出かけた。勿論リストを作って。
昨日は一般的に仕事納めの28日。翌日から人々は正月準備に動き出すだろう。そこで起きる問題は3つ。
1.このコロナ禍で密な状況になる、2.駐車場やレジなどが混む(時間がかかる)、3.食材の値段が高騰する、である。特に3は深刻である。私にとって心理的に。
年末は食材が1年で最も高くなるという事は、主婦なら薄々でも知っているだろう。モノの値段というのはすべからく需要と供給で決まる。年末は勢いで多少高くてもバンバン売れるからね。
価値が同じ物なのに『高く買って損した気分になった』ことはないだろうか。
よくあるのは「一目ぼれで買った商品が、後日バーゲンで半額になってた」とか。どうしても自分に必要と思うなら値段はあまり関係ないはずが、たまたまバーゲンで値引きを知ってしまった。頭では「バーゲンまで待ってたら買えなかったかも」と分かっていても、なんかモヤモヤな気持ち。人間って仕様の無い動物である。
したがって、出来るだけそのモヤモヤを回避すべく、できることはやったがいいということで。
29日の今日から大晦日まで、食材の値段は右肩登りだろう。28日中に行かねばね。(前日、前々日は土日だったので、やはり外出を避けたので)
『窓掃除』と『筋トレ』を何とかこなして出かけられたのは、すでに3時を回っていた。早くしないと5時以降の帰宅ラッシュに引っかかると急ぐ。
まずは野菜屋。野菜はスーパーより野菜屋が断然安い。ちなみに黒豆や干しシイタケなどの乾物、くり甘露煮などのビンや缶のものは2~3か月前、海産物の冷凍などは1ヶ月前に買う。
白菜やキャベツは丸まま買うが、保存方法はいろいろあるから大丈夫。
今回の1番の目的は『カツオ菜』。ここいらでは必ず雑煮に入れる野菜だ。私は年越しソバにも入れる。茎が太い緑黄色野菜である。
なぜカツオ菜を雑煮に入れるかというと、諸説あるだろうが『勝男菜』として『勝つ』に通じる縁起担ぎらしい。
これが年末に2倍以上に急騰する。もともと40㎝以上あるような大きい葉だが、普段はこれが2~3枚で100円位である。しかし年末に作った方が高く売れると分かってるせいか、普段はあまり見かけない。年越し1週間前ぐらいからぼつぼつ出回ってくるので早目に買っておいて処理をする。青梗菜の様に生では食べないので、硬めに下茹でして冷凍しておけばいいのである。
それでも今年は例年よりややお値段高め。40㎝位4枚で250円。隣に30㎝位2枚で198円があったが。「縁起ものだし、一人暮らしだろうから少なくて良くない?」と思われるかもしれないが、あまりのコスパの差に4枚を選択。茹でたら以外と少なくなるし、緑黄色野菜はいくらあっても良いのだから。
〇国産を避けながら、トマト(1パック3個入り98円!)、ピーマン、アボカド、ニンジン、キュウリなどでカゴが一杯になって来た時、ふと目に止まったそれは。
運命の出会いを逃すな!
干し柿である。だがそれは今までみた干し柿と違っていた。そこには4種類の干し柿がおいてあったが、その干し柿は最後の1パックとして燦然と輝いていた。
何よりその色。くすんだ黒っぽい赤が多い中、やや暗いが鮮やかな濃いオレンジ色なのだ。あたかもエジプトで見た夕陽、太陽神ラーを彷彿させるような。指でそっと押してみると赤ちゃんのほっぺの様な軟らかさ。「欲しいっっ!!!」
価格は680円。6個入りなので1個110円ちょっと。(佐賀県産。あんぽ柿ではない)手に取ったまましばし立ちすくむ。680円あればちょっといいチョコやアイスやケーキも買える。どうしよう‥。
ふと横をみると一口サイズで10個198円(お買い得品)の干し柿が目に入った。しかし、しかし。それは茶色くカチカチに硬かったのだ。安くても美味しくなければ何にもならない。
ここで頭によぎる「お正月」。ここで巡り合ったのは運命なのだ。お節は頼んでないのだからこれ位の贅沢はするべきなのだ!と。お正月なんだからと。
私はそれをカゴにエイっと入れ、支払いをして車に戻ると、運転席で早速1個包装紙を剥いてかぶりついた。ああ、何という軟らかさ。蕩けるような果肉、広がる濃厚でいて自然の甘さ。帰路で我慢できず、もう1個。家に帰ってさすがに1日3個は勿体ないと、乾燥しない様密閉容器に入れて冷蔵庫へ。
買う時には「お正月だから、お正月だから」とブツブツ言いながらだったのに、お正月までには絶対残っていないと確信した。
通販で1万円のコスメはポチっと買うのに、この違いは何なのか。なぜここまで迷ったのか。
一つ言えることは『周りとの比較』である。
通販でコスメ等を買う時、同じラインの商品や今まで買ったものも同じくらいの価格帯だった。もし普段から1000円コスメを使っていたらとても1万円コスメは買えないだろう。
野菜屋でも周りは百円、二百円の野菜たちばかりの中で680円は突出していた。それが感覚的に「高価」と感じさせ二の足を踏ませていたのかもしれない。
それと『食べた事のない未知のタイプ』というのもあったと思う。干し柿なのでだいたいの味の予想はつくが、もし期待外れだったら?680円なら大好きなイチゴもあっちにあったぞ?確実安心が良くないかと。
しかしここまで迷った時は自分を信じて買うべきだ。買わなくても後悔するから。そして後日買わなくて良かった理由を脳が勝手にをひねり出すのが分かっていても。んーでも、もう次ここに来たらまた買うな。今度は迷わず。
でも迷っていたのは実際1~2分だからね。次にスーパー行く予定だったし。
そして、帰り道はどうやって来年は、美味しい干し柿がリーズナブルに作れるかをずっと考えていたのだった。(いや、いい加減プロに任せたら?干し柿好きなので今年初めて作ってみたが、日を当てすぎてカチカチになり失敗したでしょ)
それではまた次回。ごめんなさいませ。


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