現代の日常はそのまま消費行動である。お金を使わなければ何一つできない。
先進国では生産性を上げる為に仕事の分業・効率化を推し進めた結果、昔ならほとんど家庭で行われていたことをお金で贖うようになった。
ゆっくり出来ない日本人
江戸時代までの日本は、調理はもちろん着物の仕立てや修繕は家の女がするのが当たり前で、武士でさえ家の庭で野菜を作っていた。西洋の様に『神が定めたお休みの日』というのは無いが、神道や仏教や季節ごとの行事(お祭りとか花見)に仕事は休んだのだろう。
しかしそれはそれで準備や片付けが大変なのだ。つくづく昔の日本人は勤勉だなあと思う。
支配階級の武士でさえ、『何もせず遊んで暮らす』という事はしなかった。西洋の貴族たちのように湯水の様に金を使って贅沢三昧は難しいシステムと社会規範があったらしい。豪商は贅沢三昧しただろうが『仕事も何もしない』じゃないもんね。
京都の貴族たちでさえ、仕事はヒマでもそう贅沢は出来なかっただろう。江戸後期の武士たちは、支配階級であるが故に見栄を張る為の借金に押しつぶされていったのである。
さて、そういうことで日本人は基本『じっとしておられない』。何もしないという事に価値を見出せないのだ。休日についてそれは顕著である。
ヨーロッパでは夏はバカンスという習慣があり、みな1~2か月の休暇を取る。よく聞くのが家族ぐるみで過ごしやすい所に行って『何もしないか遊ぶ』。このバカンスの為に1年働くというのだ。
森の中のコテージに滞在して、1日本を読んだり魚釣りやトレッキングなどで自然を楽しむ。又は気候の良い海岸でデッキチェアに寝そべってダラダラしてるイメージ。働かない、何もしないというより『何をしてもいい自由』を満喫しているのだろう。または家族の絆を深める為に過ごす。
自由と思い出‥幸せの在りかは?
これらはある一定以上の経済力も必要だろうが、あっても日本人には出来ないことである。
日本人の旅行者は忙しいという。スケジュールをきっちり詰め込んで、ゆっくりするヒマなどあまりない。そもそも旅行の目的が違う場合が多い。何故なら日本人にとって『自由』より『経験』が価値があるからだ。『思い出』とも言い換えられる。何もしないのは「思い出が残らないから(時間やお金が)もったいない」。
今ある自由より過去の思い出に幸せを感じる精神構造なのかな?それとも自由を使いこなせない「未自由人」かな。ポカっと自由な日々が出来たら、何をしたらいいか分からないと言う日本人も多い。
欧米人でも観光目的で歩き回ることはもちろんあるが、「ゆっくりする」も可能だ。欧米人が選べるのは休暇の長さも関係するだろうね。バカンスの様に何週間もあれば話も違ってくるだろうが、日本では休暇はせいぜい長くても10日前後。それをわざわざ『家族で忙しくする』為に使う。ゆっくりするのは2~3日ぐらいかもしれない。
お正月も例外ではない。たった3日しかないのに。(去年の正月イタリアに行ったが6日までは公的機関はお休みだった)
大晦日に年越しで夜更かしして、昼頃起きてお節を食べ、年賀状の返事を書いたり正月番組見たり。翌日はお年玉を貰った子供にせっつかれて初売りに。または初詣の人混みに身を投じ。
今年はコロナの影響で帰省は少ないだろうが、帰省するなら行きや帰りでまた1日かかる。
そして4日からまた日常が始まる。あっという間のお正月。それでも家族サービスに疲れたお父さんは早く正月休みが終わらないかなと思ったり。
昔と逆である。昔は年末が忙しかった。畳を上げての大掃除やすす払い。餅つきやお節作り。しめ縄や門松などの正月の飾りつけ。今やこれらを家でする家庭はかなり少ないよね。昔は年末忙しい代わり正月はゆっくりした。女性でさえ何もしない為にお節があった(訪問客があるから本当に何もしない訳にはいかないけど)。
だが、これが日本人なのだ。働きアリや働きバチとも言われたりするが「他者やコミュニティに有能さや存在価値を認めてもらう」こそが日本人の生きがい。農耕民族の性である。
そうやって一生忙しく生きていくのが日本人の長寿にも一役買っていると思う。欧米の高齢者より長生きするのは、忙しくしているおかげだと私は思う。
ただ現代では忙しくしているのにもお金がかかるのが難点だ。
思い出=消費行動⁉
帰省も旅行も初詣も控えてと言われたこのお正月は、いつも以上に各家庭は消費行動に走るだろう。それしかする事がないのである。ショッピングセンターに出かけるか、通販でポチっとするしか。(政府の狙いはそこなのか?) コロナの正体が分かった今、外出を控えてと言われても出来るわけないのだ、日本人には。大宰府の人出も凄かったと聞く。
昔は初詣も近所の神社に家族みんなで歩いて行っていたのだろう。神社の数も多かっただろうし。
初詣といえば神社だが、お寺は除夜の鐘の後はどうしてるのかというと、ちゃんと1日から年始めの法要があっていて敬虔な仏教徒はお参りに行くらしい。
ショッピングセンターも人多いだろうなあ。少なくとも3日まで行かないようにしよう。その為に年末にちゃんと買い出しはした。どうせ3日過ぎないと食材高いし。
昨日運動不足解消に一番近場のスーパーまでウォーキングをした。今年から年賀状も止めようと思っていたが、さすがに来た年賀状のお返事は書こうかなとハガキを買いに出たのだった。しかしそのスーパーの入り口に「3日までお休み」の張り紙が!去年までは元旦から開いてなかったか?
正月休業のコンビニもあると聞くし、少し昔に戻った感じ。はたして従業員さん方は正月休みが嬉しいか、賃金カットが悲しいか微妙だろうな。
仕方なく最寄りのコンビニまで足を運んだら、案の定繁盛していた。考えることは皆同じ。
私は正月の贅沢として数年ぶりにコンビニで買った高級アイスとハガキを手に「ヒマだとやっぱり買い物してしまうな」と実感したのだった。
それではまた次回。正月早く終わらないかな。ごめんなさいませ。


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