美しいもの、壮大なもの、珍しいものを見て体験して、美味しいものを食べる。旅行の醍醐味である。今まで予算を一番に考えて、お得な格安旅行か団体旅行しか行かなかった私が、今回初めて「ちょっといいお値段のちょっといい旅館」に泊まったのである。そしていい意味でカルチャーショックを受けたのだった。
久方ぶりのいい旅館体験?
本当はこの時期はgototravelを使って南の島へ行く予定だったのに、コロナによる緊急事態宣言によってgotot停止の延長。泣く泣くのキャンセル。代わりに近場の温泉に行くことになり、せっかくだから飛行機代にかかったであろう金額を、宿にかけようという事になったのだ。子供の頃に家族で旅館に泊まったがよく覚えてないし、海外のいいホテルには泊まったことはあるが、ちょっといい旅館は久しぶり。
といってもめちゃくちゃ高い訳でない。ビジネスホテルの2~3倍ぐらい?(それが、私の限界か‥)それでも和室洋室の続き間でヒノキの内風呂もあり、その別館(本館が別にある)で一番広い部屋であった。
温泉旅館には必ずお茶菓子が置いてある。それは『温泉に空きっ腹で入らせない』ためらしい。温泉は体力を消耗するので、空きっ腹で入ると血糖値が下がって気分が悪くなることがあり、その予防だ。
美味しそうなお饅頭が置いてあったが、私と友人はその前の温泉街散策の時に、地元のお店で買った緑の濃いヨモギモチを頂いていたのでパス。
まずは夕食前の明るいうちに旅館の送迎車で山の中の露天風呂へ行く。行く前、風呂上りは汗を吸う浴衣でないと嫌なので、旅館で浴衣・丹前に着替える。すると足袋風ソックスも置いてあって、足先が冷えやすい友人が喜んでいた。そうよね、外は寒いが湯上りに一日履いたソックスをまた履くのは嫌だ。(私は素足で大丈夫だったが)
風呂のすぐ横が渓谷で、川のせせらぎが聞こえる。冬の山のシンとした空気も露天風呂によく合う。日が沈み変わって行く空の色を見ながらの一風呂目である。
程よく疲れた身体をベッドの真っ白なシーツに横たえて夕食まで一休み。元々家族4名様用で、4人なら和室にあと2つ布団を敷くのだろう。結局今回は滞在の間はベッドにゴロゴロしてて、あまり和室の方で過ごさなかった気がする。やっぱり、洋室一つで事足りる貧乏性というのが分かった。
和食もサービスも世界一!
夕食がまた素晴らしい。指定された和風レストランに行くと何も告げてないのに、ちゃんと部屋番号のテーブルに案内される。私達の人相・風体が伝わっているのね。昨年行った北海道旅行はバイキングが多かったし、人数も多いので何だかザワザワしていたが、私達の夕食指定時間では1~2組しかいなくて静か。(いや、私達はうるさかったかも)
一つ一つ選ばれた可愛らしい和食器、盛り付け、味の変化。ご飯の炊き具合、出汁の旨味、野菜それぞれの歯ごたえ。団体旅行とこれ程までに違うのか。つくづく、もう量より質の年代だと痛感したのだった。それにしても和食って本当に世界一だ。(そんなに世界は知らないが)
いつもは少食長寿を心がけて胃が小さくなっているせいか、最後の方は「胃がはち切れそうに痛い」状態。デザートまで行けるか不安だったが、そこは『別腹』。人間の胃はをお腹いっぱいでも好物を目にすると、胃が拡張して隙間を空けるとか。成程その通り。
その日のうちに大浴場に行くつもりが、お腹いっぱい過ぎて動けない。いつしかウトウトしてたのだろう。友人に起こされて大浴場に行ったのは閉まる1時間前。(部屋に戻って3時間後)
そして最大の驚き。何なのこのお湯は!トロトロなのだ。夕方行った露天と湯質が違うとは聞いてはいたが、ここまでとは。先月の北海道旅行でも4か所の温泉に入ったがこれ程まではなかった。さすが、美肌で有名な温泉である。「そう言えば、旅館の売店に温泉の素があったな。絶対買わなくっちゃ」と思った。
翌朝は内風呂に源泉100%で入る。
ここの源泉は90度以上あるのでそのまま入れない。でも水で薄めたくない。そこで前日に浴槽に半分ぐらい溜めておいて一晩冷まし、翌朝熱い湯を足して入ったのである。絶品のお湯であった!
毎日入りたいぐらい惚れ込んだ湯であるが、ただ一つ注意点。キズにはよろしくないのである。説明にもそう明記してあったが、こめかみにいつの間にかできていた薄いひっかき傷にお湯が当たる度にピリピリして、翌朝には少し腫れていた。防水の絆創膏テープを張っておけば良かったな。
そして朝食。つやつやの透き通るようなお米、アサリ?と迷うような大きなシジミの味噌汁。トロトロの温泉豆腐。(お代わりしました)温泉卵の出しつゆの味も絶妙。肉じゃがの肉が分厚い‥。またもや食べ過ぎ。
チェックアウトの11時までお茶を飲みながらゆっくりする。この地方はお茶の産地としても有名。部屋にある茶筒を開けた途端、お茶の香りが立って「おおっ!」
もちろん湯沸かしポットには自分で沸かさなくても、いつもなみなみとお湯が沸いており、お茶の為にお湯の温度を少し下げるための容器も置いてある。
冷蔵庫には無料のペットボトルの水。ジュースやコーヒーも自由に飲めるマシンがラウンジにある。(だから旅館内に自販機は無かった)外回りも何処もかしこも掃き清められていて清々しい。
ああ、すべてがプライスレス!日本の旅館万歳!本当に今まで格安旅行ばっかりだったのね。
温泉街はあまり人気も無く、シャッターが閉まったお店もあちこちあり寂しい気持ちになったが、友人と「また必ず来ようね!」と言い合いながら、帰路についた。
本当に必ず行きますからね、嬉野温泉さん!
それではまた次回。ごめんなさいませ。


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