赤ちゃんであれ病人であれ、お世話が必要な人が1人いるだけで、その人の周りにモノが集まる。赤ちゃんだったら、オムツ、おしりふき、着替えやおもちゃ、ゴミ箱など。それでも赤ちゃんの場合は一つ一つが小さいので、そこまでかさばらない。
しかし大人は。しかも一時的な病気とかでなく、何年も(時には何十年も)継続する介護においてはかなりの量である。
なぜモノが溢れる?
出産して産院から家に帰ったママがしなければならないのは、そういう赤ちゃんの必要物品ステーションの設置である。(事前に出来ているともっと良いが)
産院では大体定位置(赤ちゃんベッドの下が多い)にそれらを置くが、家にはそういう移動式のベビーベッドはまず無い。バリアフリーでなければ、畳が傷むからね。
そして赤ちゃんは家の中でもママと一緒にあちこち部屋移動をする。リビングと寝室が別部屋多いし、私の場合はキッチンも別部屋だった。子はクーファン(カゴ)で私と一緒に移動していた。(目が届くところにいないと心配でしょ?)
その時には必要物品ステーションも移動式が便利。私はプラスチックの浴室の着替え置き(キャスター付き)にセットして移動させていた。固定場所だとわざわざ取りにいくのが面倒だからだ。しかしそれに物品が収まるのは赤ちゃんだからである。
寝たきりになった高齢者の家を訪問すると、だいたいモノが周りに溢れている。どうかしたらモノに埋まってないかと思うぐらい。
仕方が無い。必要なモノが多種多様で、着替えやタオルやリネンも替えが沢山要る。
とは思うものの、これは本人と言うより介護者の問題だろう。
介護者はパートナーであることが多く、やはり高齢者だ。高齢者の特徴として、
①モノを捨てられない。(逆に何でも捨ててしまう人も知ってるけど)
②出したり片付けたりが億劫。重い引き出しや立ったり座ったり等が。
③取りに行く時に慌てて、自分が転んだりどこかにぶつかったりするから近くに置く。
④そもそも何処に片付けたか分からなくなる。したがって目に付く所に置く。
⑤探そうにも目が悪く見付けるのが困難。
⑥「取りあえずここに置いて」忘れてしまう。
などだろうか。これらがモノがあふれかえる原因かな。
かく言う私もまだ20才代の独身の頃でも、①②⑥の理由で部屋はごちゃごちゃしていた。自覚はあるが、「誰も困らない」「毎日見てたら慣れて違和感が消失」。
あの頃は仕事と趣味でエネルギッシュに動いてて、殆ど家にはいなかった気がする。
賃貸マンションで、水道の調子が悪いと大家に言ってたら予告も無く留守の間に入られていて(そんなんアリ⁉)脱ぎっぱなしのパンツ見られたと思って赤面した(いや、自分も悪いでしょ)。それからは多少片付ける様に‥。
片付けにはキッカケと決意が要る!
だが、昨日の訪問には驚いた。寝たきりの母を看ている2人の娘さんとの3人暮らしの家である。母様はなんと御年3桁。つまり娘さん方も70才前後という訳だ。
介護ベッドの横の1畳ぐらいしか、足の踏み場が無い。(さすがに車イスが入らないと困るだろう)隣の縁側との仕切り戸は外してあったが、そこにはもう外が見えない位にモノがうず高く積み重ねられていた。介護ベッドが大きなクローゼットを塞いでいるので、衣類や洗濯物もソコに全てあるといった感じ。
部屋の中のテーブルや棚、とにかくモノが置けるところにはびっしりとモノが置いてある。チラリと見えた狭いキッチンの流し台や棚にもビッシリ。その上に洗濯物も干してあった。いったい調理はどうやってて、食事はどこでしてるのか。
介護ベッドを移動してクローゼットが使えればいいのだろうが、やらないのは多分反対側のテレビが移動できない(彼女らには、ということ。不可能ではないと思うのだが)のと、その周りに溢れかえるモノの為だろう。多分もう考えるだけでも嫌になるはず。
母様はよく誤嚥したりタンが絡まってゴロゴロいうので吸引(チューブで吸う)のだが、その時に使う水のコップを置く所もない。キョロキョロしてると、娘さんがキッチンからオーバーテーブルを持って来ようとした。いえ、いいです。この狭さではジャマになるから、代わりにすぐ側のテーブルをもう少し整理してくれませんか‥。(と思ったが口に出せず)
それでも先輩看護師の言う事には、この娘さん方はとても良くお母様の介護をしてくれているそうだ。新米の私がアレコレ言うことではないんだろうなぁ。
リストラされる前の私もそう言えばそうだった。
出ていった息子達の部屋はゴミまでその時のまま(片付けてから出てと言ったのに。腹立つ!)
壊れて使えなくなった家電は溜まる一方。庭のボウボウの雑草にも目をつぶり。
一回、許容範囲以上に溜まったモノを整理・処分するにはきっかけや決断がいる。まるで、ダラダラと何年もお付き合いしたカップルの結婚のようなものだ。
私が離職しステイホームの日々でそれを得た様に、この娘さん方にもそれは必要だろうし、待っているのかもしれない。
だからと言ってキッカケを延々を待ってはダメですぞ?無いなら作るという手もあるでしょ。
また、別のお宅で素晴らしくキレイに片付いているところもあった。娘さんとの2人暮らしで娘さんはお仕事で不在だったが、「モデルルーム?」と見紛うほど。介護ベッドのお母様の手が届く周りだけにお茶やティッシュなどが置いてあるぐらい。成程娘さんは私と同年代。
仕事をして子供がいたら、モノは多いし片付けまでには中々気は回らない。やっとこの年代で、意識的にも経験的にも一番お片付けしやすくなるのかなと改めて思ったのであった。
いや、性格にもよるけどね。
それではまた次回。ごめんなさいませ。


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