前回の「妊娠肥満 終わりなき闘い②」ではつわり(妊娠悪阻)と食いづわりについて述べた。これらを予防する効果的な方法はまだ無い。
なったら対処するしかない。妊娠2~3か月は、できたら体重の増減なく心身ともに健やかに妊娠の喜びに浸る期間が望ましい。
さて、全世界のつわりが無かった、または食いづわりで中期になって「えっこんなにもう体重増えてる⁉」とあせっている妊婦さんへ。そろそろ現実と向き合いましょう。
肥満妊婦にならないために。
今回の結論:妊娠したら食の勉強の始めよう!
ダイエットは一生続く
ま、あたし妊婦じゃないし~、の人にも読んでほしい。
「健全な食生活はその人の体重を適正にする。」よく聞く言葉だ。
だがこれがダイエットの真理だ。この当たり前の事を本当の意味で理解するのは、非常に難しい。この「健全な」の情報がゴマンとあり、どれが合うのか合わないのか、やってみないと分からないからだ。
私も今までの何十年間、いろんな情報を集め、何度も自分に自問しては「いまのやり方は間違ってない」と思い込もうとした。
それが楽だからだ。体重は一応身長から100引く位でスリムではないが、某生命保険会社が発表した「標準よりちょっとぽっちゃりが一番長生き」というデータでよしとした。
妊娠中に激ふとりしたので、自分は太りやすい(太った人は100%そう思う)とも。
しかし心の奥底での「今の自分じゃ嫌だ!」の叫びはつきまとっていた。
みんなそうでしょ?
じゃあその叫びに向き合えるか、だ。
自分を知ろうとしない現代人
人は忙しいと自分を見ない。
そして現代の日本の社会では、忙しいのをよしとする風潮がある。
仕事に忙しく、時間ができれば娯楽に走る。まるで息抜きしないと死んでしまうかのように。そうしてあっという間に時間は過ぎる。
なぜ、自分はこんなに疲れている?
なぜ、自分はこんなに眠い?
なぜ、自分はこんなに他の事を勉強する意欲が出ない?
大切なのは自分を知る努力を怠らないということ。
自分は何をどれくらい食べれば、体調がいいのか。思考がクリアになるのか。
その研究を突き詰めたのが、2016年ベストセラーになった「シリコンバレー式最強の食事」だ。これはこれでとても参考になった部分は多かった。が、これはこの著者の上手くいった方法だ。理論上理解できても出来ない事も当然多々ある。
食事や栄養は個人個人が自分と向き合わなければ、何も解決しないのだ。
特に健康面、身体面に不満があるなら栄養についての勉強は一生続く。
「赤ちゃんのため」なら頑張れても自分の為にはなかなか頑張れないのが妊婦だ。
今、栄養の勉強を始めよう。少なくとも生まれてくる子供の為に。
その知識は、あなたの宝になり、我が子の一生の健康に関わるかもしれない。
現代はどうでもいい情報にあふれている。1日15分でもいい、栄養や食について関心を持って何かについてググってほしい。
ビタミンやミネラルのこと、食品添加物のこと、抗酸化食品のこと、油脂のあれこれ、知って欲しいことは他にもたくさんある。そして、ご存じのようにこれらの常識は時代によって変わっていくのだ。
私が言いたいのはたんぱく質は○g、ビタミンはこれ位取りましょう、の話ではない。
そんな値は直ぐに忘れる。しかも個人によって必要量・最適量が違う。
食をどう組み立てていくか、の基本的な考え方だ。これは妊娠中・授乳中関係なく、一生を通して使えるものと思っている。
妊婦の必要カロリーは
さて、今回はカロリーの話。
よく母親学級の栄養指導で栄養士が「赤ちゃんの分も要るので総カロリーを増やしましょう。」と言っている。中期で250キロカロリー、後期で450キロカロリー分だ。
「やったー!食べていいのね!」免罪符をもらって、いそいそと食事の量を増やしていく。日本の女子は思春期の時からずっと食べたいのを我慢して生きてきた。ここにきてパチンと留め金が外れる。
「いやいや、あまり太ってもお産に良くない」と分かっている人でさえ、無意識に『食べて大丈夫』と思う。だが、つわりで体重が激減した人は別として、そこから何も考えずに「ちょっと多めに」食べる生活にシフトしていくのは危険だ。確実に太りすぎる。
今やダイエットの分野でも重要なのはカロリーではない、にシフトしている。
あくまで目安で、その食品のカロリーがその人の身体でどう代謝されるかは個々ちがうからだ。ただカロリーが高いものは油脂と糖質が一緒になっているのがほとんどで、確かに太る。
妊婦はいつもより太る⁉
経験した方は分かると思うが、妊娠中は普通と同じに食べていても太る。
身体に脂肪をつきやすくするホルモンが出てると言われる。
何故か。人類の飢餓の歴史が長かったから。
1.母体への栄養補給がいつ何時止まっても、胎児への栄養補給を続けるための備蓄。
2.出産後大きなカロリーを消費する母乳を出す為の備蓄。
他には
3.お尻や腰に脂肪を付け、大きくなった子宮を安定させる。
4.お腹の皮下脂肪を厚くして、寒さや衝撃から胎児を守る。
の理由から、人類が進化の過程で獲得してきたシステムなのだ。
しかし現代はこれは必要ないよね。
1.2はともかく、3についてはそもそも今の妊婦は昔のような肉体労働はしないし、
ついてしまった腰やお尻の脂肪は取れにくい(そう、妊娠中はここにしっかり脂肪がつくのだよ)。それでも昔の日本は痩せてる妊婦が多かったのだろう。さらしの腹帯を巻いてお腹の安定と保護をしていた。しかし、いまでは妊婦用ガードルや簡単にマジックテープで付け外せる腹帯がある。
つまり、必要な分だけ増えて、脂肪は付けなくてよいと(思う)ことだ。
妊娠では8~10㎏の増加にとどめましょう、と言われる。
胎児3㎏、胎盤や羊水など1㎏、大きくなった子宮2㎏。これでトータル6㎏ぐらい。
産後入院中に体重計っても4~5㎏しか減ってない。あんなに頑張ったのに。
はいはい、運動では痩せないのはすでに今は常識。
あとママも伸びたお腹の皮とその皮下脂肪や、頑張っても多少ついてしまった脂肪(これは後期までに付けたらいけない。後期で嫌でも付く)で2㎏ぐらい。
ほら、ママに脂肪を付ける余裕はない。
また10か月に入ると個人差はあるが、むくみが出てきたりもして数字はもっと上がる。
残念だが、妊娠中期になっても気を抜かないこと。
赤ちゃんへの栄養が心配なら、カロリーより内容だ。カロリーが増えていいと思うと、女子はすぐに炭水化物にはしる。それが一番の肥満の原因になる。
妊娠してもそのカロリー増加の指導は鵜呑みにしない!
それではどんな指標があればいい?
それはまた次回。ごめんなさいませ~。


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