昔はお産で女性はよく亡くなっていた。
日本で医学が発達し、誰でも医療が受けられるようになったのは第二次世界大戦後からだ。それまでは医師も少なく医療施設もない地域が大半で、自宅で産むしかなかった。
清潔でない劣悪な環境。満足に食べられなかった妊産婦も多く、何よりお産の時に出血すれば止める方法(お産シリーズ見てね)はほどんど無く文字通り命がけだったのだ。
妊婦健診は妊娠高血圧症を見つけるため?
妊婦健診の原型ができたのは第二次世界大戦中。産めよ増やせよを目標に『妊産婦手帳』が出来た。それから何回もの改正を経て、昭和30年ごろに今の母子手帳と妊婦健診のシステムが普及した。
日本は高齢化で子供が増えないと困る国なので、今は妊婦健診にかかる費用はほぼ無料(薬の処方や検査やエコー代で病院側はあの手この手で攻めてくるが)。母子手帳に無料券が十何回分もついているが、30年前の私が妊婦の時は無料券は前期に1枚、後期に1枚の2回分だけ。あとは自腹だった。いいなー‥。
今は当たり前の妊健。エコーのおかげで赤ちゃんの様子もよくわかり楽しい。
妊婦健診はママの為だけでなく、胎児異常の早期発見の為でもある。
だが前述の通り、昔はお産の妊産婦死亡は多く、それは感染症や出血のせいだけではない。妊娠特有の病気の数々のせいでもあった。
その悪の女王に君臨するのが妊娠性高血圧症候群、長年妊娠中毒症と呼ばれていたものである。
厳密には「高血圧症」「腎症」「加重型」などの分身(?)があるが、ここではひっくるめて妊娠高血圧症と呼ぶことにする。
妊娠高血圧症ってどんなもの?
妊娠による主に全身の血管の異常である。(原因は諸説あるが、まだ医学界でもこれだ!と決まっているのはないらしい)その結果見える症状としては高血圧、むくみ、尿検査で尿タンパクが出る。自覚症状はほとんど無い。
ほら、カンのいい人は分かったでしょう?妊健はそもそもは主としてこれの早期発見の為のシステムだった。
血圧を測り尿検査し、後期では体重増加でむくみをみる(スネも触るが)。
多くが後期に発症するが、32週未満の発症は特に重症化。
これが重症化すると恐ろしい。(いや、重症化は何でも恐ろしいが)
痙攣、脳出血、肺水腫、肝機能障害、腎機能障害、HELLP症候群、常位胎盤早期剝離、胎児発育不全や胎児機能不全などのおぞましい家来をたくさん持っていて、ママと胎児の命を狙う。
高血圧やタンパク尿、むくみ(浮腫)も何もなかったのに、「血圧ちょっと高め」からあれよあれよと血圧が一晩で200㎜Hgまで悪化することもあり油断できない。
程度によるが帝王切開になったり、総合病院へ搬送になる。
もちろん血圧が140~150や、急にむくんだり、尿タンパクがドヒャっと出たら即入院。
自覚症状は血圧が急激に上がる時の頭痛(これ大事。血圧高めの妊婦は家用に血圧計を買う事。頭痛がする時は直ぐ測って)と、なんかチカチカ見える(眼華閃発)ぐらい。
いや、これがある時病院にいないならやばいっス。
予防の一番はまず太らない事!
早期発見と予防しかない。できれば早期発見より未発症。
予防ね‥。原因は妊娠、それしか分からない。
じゃあどういう人がなりやすいか。
肥満、高齢、双胎、元から糖尿病、高血圧、腎疾患持ってるひと。
前回妊婦を洗濯機で例えた。(失礼はご容赦を)
高齢妊婦はもう使用年数が長くていつどこが故障するか分からない洗濯機。
双胎は洗濯物の詰め込みすぎ。
持病のあるのは、もともと欠陥のある洗濯機。
じゃあ、肥満妊婦は何が悪い?全部だ。
洗濯物は多いわ洗濯機も元々欠陥があり、別の所も壊れそう。
「どうしてよ?太っていたって健康よ?」
いいえ。太っているのは健康ではないのですよ。
体重が重くて健康な人はいる。体脂肪が適正ならば。
太っているというのは体脂肪が多いということ。
近年の研究で脂肪細胞はいろんな物質を合成・分泌していることがわかった。
そしてその物質のなかにはインスリン抵抗性を悪化させたり(血糖値の上昇)や、血圧を上げるものがある。
太っているだけで、すでに糖尿病や高血圧に片足突っ込んでいるということ。
いつ壊れるかわからない洗濯機なのだ。(その上難産‥。)
はい、偉そうなことは言えません。私も太りました。でも妊娠高血圧症にならなかったのはラッキーだっただけ。
妊娠高血圧症にならない為なら何だってすべきだと、今はわかっている。
そして肥満にならない、すなわち正しい食生活を身に付けるのはあなたの為だけでなく、家族の為でもあるのだ。
妊娠糖尿病について
妊娠糖尿病にも触れておこう。
妊娠糖尿病は妊娠中に発症した糖代謝異常だ。
糖尿病の人が妊娠したら糖尿病合併妊娠という。
妊娠するだけでもインスリン抵抗性は増大し、血糖値は上がりやすくなる。
それに肥満が加わると当然悪い。
妊娠糖尿病も糖尿病合併妊娠も、適正なコントロールをしないと妊娠高血圧症のリスクは上がるし、巨大児、難産、赤ちゃんの代謝異常を引き起こす可能性がある。
人間は血糖値が高い状態に身体は適応するようにできてない。高血糖は血管を損傷する。日頃の糖質コントロールは一生必要なのだ。
私の母は間違った栄養知識で家族全員を肥満にし、自分は脳出血でまだ51歳の若さでこの世を去った。あなたはしくじらないで欲しい。
今までの自分のやり方が間違っていたと認めるのは辛い。
だが、あなたが太っているのは何かが間違っていたからだ。
私のものだけでなく広く情報を集めて、自分の正解を見つける試みを諦めないで。
そのきっかけに妊娠が、これらの記事がなってくれたらうれしい。
それではまた次回。ごめんなさいませ~。


コメント