リストラ生活節約術㉕水に流すの巻

「水に流す」という言い方がある。
人間関係でのいざこざや気まずさを、一旦無かった事にして関係を構築し直そうというものだ。
この表現がいつ出来たか分からないが、何かを川に流してなくしてしまえる、または物理的に汚れを流水で落とせることからだろう。
風呂は、日本では最初は寺院などの治療目的の蒸し風呂を示し、たっぷりのお湯を使うのは湯屋・湯殿と呼ばれていた。庶民にとっては贅沢なもので、多くはタライなどで、貧しい者は川で行水である。
浴場が庶民も使うようになったのは江戸時代からと言われる。
風呂好きと言われる日本人もお風呂の歴史は以外と短いのだ。

汚れは水だけで落ちる?

髪はいきなりシャンプーを付けるのでなく、先にお湯で洗ってからという。
何とお湯でザブザブ洗うだけで髪の汚れの80%は落ちるのだと。(シャンプーは逆に洗い残りが皮膚トラブルの原因になる事もあるので、少な目に)
そう、石鹸が普及したのもほんの100年ちょっと前から。それまでは使っても糠(ぬか)だった。
つまり、水だけで洗ってきた時代がほとんどなのだ。
宗教においても洗礼禊(みそぎ)など、水で流す事で穢れが落ち浄化するというイメージがある。

医療においてもそうである。
昔はキズは消毒滅菌・めっきん)してばい菌を殺し、治癒の過程で他のばい菌を寄せ付けない様に乾燥させるのが良しとされていた。手術創などは毎日の消毒と当てているガーゼの交換は当たり前だった。
そのうちキズ口ににじみ出る体液にはキズを早く治そうとする成分が含まれており、消毒するとその有効成分まで殺してしまう、となった。そしてキズはその体液に浸して治すためにシールを貼って閉じ込める。汚れが溜まったら生理食塩水で洗い流すだけだ。減菌(げんきん)である。以前の医学は全てにおいて滅菌だった。今は手術室や免疫低下の場合は別として、減菌という考え方もかなり広まった。

菌はエサと環境が整えば、爆発的に仲間を増やす。
その大群で人に都合の悪い事を引き起こしたらを腐敗と呼び、都合のよい事をおこせば発酵と呼んだ。
だがどんな菌も少数だと無力で、健康な人の体内に入った途端、胃酸や免疫にやられてしまうので何の問題もない。だから菌を全滅させる必要はない。水で流して「数を減らす」だけで良いのだ。
そういう意味で、カラスの行水(洗浄剤を使わない入浴。いやカラスだけじゃないだろ‥。)の芸能人もいたな。

そもそもこの世の中は菌だらけである。机の上、食器、食品、調理器具でさえ(プロの料理人以外)本当は目に見えない菌だらけ。この手や顔にも。
皮膚にはバリア機能があり外敵を肌の内側には簡単には入れない。また菌の繁殖に必要な水分が無いのでそう増えない。(あせもやオムツかぶれは水分があった場合ね)
だからいつも湿っている粘膜は菌が取り付きやすい。しかし動物ってそこは上手く出来ていて、目にはまつ毛、鼻には鼻毛、喉には繊毛があり、菌の侵入を防いでいるのである。
逆にそこでくい止めているのだから、まつ毛や鼻毛は意外とばい菌だらけと聞いた事があるな。
ということはちゃんと定期的に「水で流す」必要があると思うのだがどうだろう。

洗えない場所?

何を言いたいかというと、まつ毛のエクステについてである。
エクステはエクステンションのことで、人工のまつ毛を内まぶたのきわに接着剤でつける。
少女漫画のヒロインのごとく、まつ毛の長さは女子の魅力を確実にアップさせる。
マスカラは失敗しやすく面倒で、朝の戦争時間ではこの手間は無いにこしたことはない。
今でこそフィルムタイプでお湯で落とせるものも増えたが、少し前まではウォータープルーフのは(じゃないとパンダになるもんね)専用のリムーバーが必要で、しかも落とす時に貴重なまつ毛が何本かサヨナラしてしまう。

その問題を一掃したのがまつ毛のエクステだ。
長いまつ毛をパチパチさせて魅惑的なまなざしになった同僚を見て、何度もやってみようと心が動いた。しかし次の言葉が私を踏みとどまらせた。
「エクステがとれるので目のあたりはあまりしっかり洗えないのよね」
つまり、極端な言い方をすれば、台所の排水溝のゴミ受けを洗えない、みたいな?
(エクステ業界の方、現在エクステしてる方ごめんなさい!)

私は時折コンタクトレンズを使うので、目の清潔に関してはそれだけでリスキーと思っている。
これ以上感染リスクを増やすことはない。どのみち私が魅惑的な目になっても喜ぶ人はいないさね。

ここで雑学。哺乳類のほとんどのまつ毛が目の幅の3分の1の長さだそう。
まつ毛の働きは埃や雑菌を寄せ付けない為と目を乾燥から守るためだが、実験によるとまつ毛を長くしてもそれらの効果はアップする訳ではなく、やはり3分の1の長さが最適だったということだった。

他にあまり洗われない所としておへそがある。
子供の頃「ここに付いていたへその緒でママとつながっていたのよ」と聞いたことがあるだろう。
何となくイメージ的に『ママのへそと自分のへそがつながっていた』と思っていなかった?
(胎盤の話まで普通はしないよね)そのイメージからか、へその奥はそのままお腹の中につながっていると思う人もいるみたいで、怖がってあまり触わず洗われてない事がある。
妊娠して皮膚が極限まで突っ張った人はご存じだろうが(へそが無くなる)おへそは只の皮膚の窪み。
窪みには当然汚れが溜まる。へそのゴマはばい菌の塊りと認識すべし。
場所が場所だけにただれてきたら大変だ。ちゃんと洗いましょ。
昔は何故かおへそは触っちゃいけないみたいに言われてたが、たぶん内臓と近いので触りすぎて不調になった人でもいたのだろうか。

それにしてもこの水で流すだけで良かったはずの世界が、コロナのせいでまた一変してしまった。
3秒ルールでも全然大丈夫だった人間が、いまは幼児でさえも石鹸でゴシゴシしなければならなくなった。(その後に顔や髪を触れば元の木阿弥なのに)
あれはそもそも医療現場で免疫力が低下しているにであろう患者に対してやっていた手洗いだ。
第一全員があんなに時間がかかることをしなければならないか?そうそうできないだろう。
(知っておいて損は無いという程度?)
もちろん外出後や食事の前などは手洗いが望ましいが、それも滅菌は必要ない、というか意味が無い。
『その都度何度も流水洗い』の方が効果的となっている。(石鹸使うなという事ではないよ?)

ウイルス学者の方々も言っている。人類は何万年も菌やウイルスと共存して生きてきた。排除するのは不可能であると。もともと菌だらけでも生きていけるようにできている、そのシステムを強化するのがスジだと思うのだが。
それは「免疫力アップ」とうたわれている食品に殺到することではない。生活リズムの見直しや栄養についての啓蒙にもっとお上は力を入れていいのではないだろうか。

たとえば幼児だったら石鹸手洗い励行より、規則正しい生活(よく夜の商業施設やテーマパークで見かけるけど?)や、加工食品や外食を控えるなどのほうが病気に強い身体になると思うけどな。
経済回るほうが大事なんだろうね。

こんなご時世に世流に逆らう意見だとお叱りを受けそうだが、いろいろ「水に流せない」疑問が出てくるお年頃と思って欲しい。

それではまた。ごめんなさいませ~。

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