分娩第二期は
分娩室でやっと全開大。赤ちゃんの頭が半分子宮から出てきた。あともう少し‥。ママと助産師はそう思う。
だけど「少し」の感覚が違うんじゃないかな。。
ママは「あと何回かいきめば赤ちゃんが生まれるんだわ。15分位?かしら」
助産師は「さあ、あと1~2時間だわ。頑張れればいいけど。」
そうなのだ。ここからは全身全力の頑張りが必要。
第一期で疲れないようにとしてたのは、全ての力をここで出し切る為に体力を温存するため。「え~まだなの?」とガッカリしないで頑張ろう!
10か月の長い妊娠期間からしたら1~2時間なんてほんの少し。
舞台でいえば第二期はフィナーレ‼
やるべきことは2つ。
1.いきみ(怒責という)の呼吸と短息呼吸
2.いきむ時は正しい体位をとる
今回は1.の以下の説明になる。
いきみの呼吸をする理由と具体的な方法
いきみをする理由
赤ちゃんは陣痛(子宮の収縮)で押し出されてくるが、全開大後はそれだけでは狭い膣の中を下りてこれない。初産婦は特にね。
それは通った事のない森に道を切り開くようなもの。時間がかかるしたいへん。
なんせお肉のトンネルを赤ちゃんの頭が通るくらいに拡げなきゃなんない。
もう陣痛だけでは難しいのである。
便秘で肛門の大きく硬いウンチさんを、お腹に力入れて力んで出した経験はおありだろうか。つまり、そういう時は力まないと出なかったんじゃなかった?
わー!すっごい痛そう!と思った?
だけど今まで(第一期)に比べたらマシ、と皆さんおっしゃる。
一つはいきめるから。第一期の終わりでいきみたくてもいきめない辛さからの解放。
もう一つは長く暗いトンネルの出口の光が見えた(と思ったから)かな?
人間って希望を持つと不思議とパワーが出る。逆に諦めたら終わり。
だから、あと少しじゃなくても「あと少しだから頑張って!」という噓つきに助産師は時々なる(後でごめんなさいとあやまっている)
やり方が助産師でちがう⁉
さて助産師の間でも賛否両論あるのが、この怒責の呼吸の仕方。
息を止めるか止めないか、である。
陣痛のあいだは赤ちゃんへ行く酸素が減って苦しいので、ママは息を止めてはいけないとはいうものの、陣痛だけではパワー不足で進行は当然ゆっくりになる。
息を止めずに、吐きながらいきむというのはわざと「ゆっくり進める」ということ。
ゆっくり進めることのメリットとして
①赤ちゃんの酸素不足に対応。息を止める方法よりは無呼吸の時間は短い。
②ゆっくり産道を拡げることで裂傷を最小限にする。
③血圧の上昇を緩やかにする。
④体力の消耗を防ぐ。
⑤加圧によって毛細血管が切れてできる出血斑の予防。
こう書くといいことずくめ。
でも私はあまりしない。するのは陣痛が強すぎる人にだけだ。
息を止めてしっかりいきんでもらう。
どうしてか。
遅いのだ。とにかく遅い。時間がかかる。
私もお産の時はそうだったが、長時間の苦しみに身も心も疲れ果てて1分でも1秒でも早く終わらせたいと願っているこの時に、上記のメリットは全部ぶっ飛んでしまった。
赤ちゃん元気かどうかはちゃんとモニターでわかるし、逆に第二期は赤ちゃんにもストレスが大きいから出来るだけ短い時間で、と考えている医師もいる。
血圧だって妊娠高血圧症候群でなければ、大きな問題ではない。
多少切れても縫えばいいし、出血斑なんて数日で消える。
とにかく早く終わらせて!!この苦しみを‼
微弱陣痛でもう17時間闘い続けたわたしは本当にそう思ったのだ。
お産で痛い!痛い!と大声を出すママを見て「こらえ性がない。あんなに騒いで」という顔をする医療者がいる。特に男性医師が多い。仕方ない、経験できないのだから。
しかしそれなら想像してほしい。おしりの穴にプリンスメロン(赤ちゃんの頭はこれ位)を入れたらどうなのかを。
欧米人からしたら麻酔(無痛分娩)しないだけでもオーマイガー!である。
もちろんケースバイケースだから、待てる人やそれなりの理由があればどっちの選択をするかは助産師の判断でいい。私もママに希望をきいたりした。
怒責(いきみ)の呼吸法
さて、具体的ないきみの呼吸法だが、以下が注意点。
1.陣痛が来て直ぐにいきみ始めない。
陣痛の長さが仮に60秒としよう。その間あなたはずっと全力疾走できるか?
陸上競技のアスリートじゃないと無理。それも中距離。
人間の筋肉は最大出力では普通7秒しかもたないらしい。
いきなり1秒目から最大を出せる人ってそういないだろうね。
だから1回の息止めでいきむ時間は8~15秒と考えている。
それを1回の陣痛で2~3回。
だから直ぐに始めたら、一番陣痛が強い30~40秒目位の時には力つきる。
一度大きく深呼吸してから始めよう。
2.いきみの強さは後を強く
1回目のいきみより2回目のいきみを長く強くすること。
陣痛はじわじわ来てピークがあってまたじんわり去っていく。
だから2回目のいきみのときにピークが来て、ここからが進む。
1回目が長すぎてそこで力を使い果たしてしまったら、2回目がヘロヘロ。
せっかくのチャンスを逃してしまうのだ。もったいない。
産道は弾力があって陣痛の合間にはまた少し戻る。
1回目で前の陣痛で到達した位置に戻し、2回目でもっと先に進ませるのだ。
3.息継ぎはしっかり、でも素早く
陣痛が来たら、
深呼吸→大きく息を吸い込む→止める→いきむ(8秒以上)
→一度息を吐く→素早く息を吸う→止める→いきむ(もっと長く)
となる。息継ぎの前に息を吐いておかないと次に大きく吸えないので注意。
鼻が詰まってないなら息は鼻で大きく吸う。
息は口からより鼻からのほうが、空気が肺にたくさん入るという。
吸った後、いきむときに息を漏らさないほうがベター。
分娩第二期はこれを4~5分に一回位のペースで続ける。
学生時代に運動部に入っていた?知ってる?インターバルダッシュてやつ。
数分おきにダッシュで走るのを繰り返すトレーニング。
きっついよね。それと同じ。
ほとんどの人が最初は頑張っていきむけど、30分位やったらアゴがでる。
ホントに体力勝負の1時間(1時間ですめば成功!)
だから第一期で疲れちゃダメなのだ。
それでは次回はいよいよ赤ちゃんが出る!!
お楽しみに!(楽しいかな‥?)ごめんくださいませ。


コメント