女性は年齢と共に乾いていく。それは男性より急激に。理由は2つ。
一つは更年期による女性ホルモンの減少。もう一つは皮脂の減少と変化である。
男性は男性ホルモンのおかげでトシを重ねてもそれほど皮脂量が変わらないのに対し(それでも60代からは多少減っていく)、女性は生物学的にお役御免(次世代の出産・育成の終了)になった途端、全ての身体機能が悲しい事に終末に向かっていく事実は否定できない。肌を守ってくれていた皮脂の減少も例外ではない。もう肌を美しく見せて異性を惹きつける必要は無いと自然はおっしゃる。いえいえ、そうは問屋が卸すものですか!
天然クリームは皮脂と汗
肌を守ってくれる『天然のクリーム』と言われるものは、皮脂と汗が混じって乳化したもの。女性ホルモンはどちらかというと皮脂の分泌を抑えるので、更年期以降はかえって一時的には皮脂が増えるとも。なので女性でもこの頃から加齢臭には気を付けなければいけない。だが天然の保湿成分には他にセラミドや尿素などもあり、総合的に保湿機能は落ちていくのだろう。
この脂肪を皮膚の常在菌(今、美肌菌と話題になっている)に分解されることで生じる脂肪酸によって弱酸性となり、病原菌から肌を守っている。だから石鹸成分を使っての洗顔は夜1回だけで、朝は寝ている間に増えた美肌菌を洗い流さない為に水洗顔でいいそうだ。
皮脂は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸から出来ており、そのバランスが最も理想的なのが22才前後。加齢とともにバランスは悪くなり、飽和脂肪酸(バターとかドロッとしたやつね)の割合が増えるらしい。
また、トシをとるとターンオーバーも遅くなって角質が溜まり、それも乾燥の原因とか。若い時は肌は28日周期で入れ替わると言われていたのに今やその3倍はかかるのだ。
皮膚科の専門医は「肌は優しく手でなでるように洗え」と言うが、そうしてるとそのうち手足に垢が溜まって、こすればポロポロと落ちてくる。定期的に角質を落とす為のピーリング製品もある。一体何を信じたらいいのだろうね。つまりは『普段は優しく』と『定期的に角質除去』が正解かな。
『天然クリーム』の成分の汗には2種類ある。エクリン汗腺からの汗とアポクリン汗腺からの汗だ。エクリン腺は独立して開口し、主に体温調節が役目。エクリン汗の成分はほぼ水分で、さらっとして臭いのあまりない汗である。もう一方のアポクリン汗は毛根に開口部があり、同じく皮脂腺も毛根にある。アポクリン汗にはタンパク質、脂質などの色々な成分が入っていてやや粘り気がある。動物が異性や仲間ににフェロモンなどを出していた名残りとか。わきがの原因と言われ、臭うのはこっちだ。
さて汗腺は、遺伝もあるだろうが3才までの環境も影響すると以前話題になった。エアコンなどであまりに整いすぎて汗を出す必要性がない生活環境で育つと、汗腺が発達しないというのだ。ヒトの汗腺は200~500万個で数は生涯変わらない。が、生まれた時は全部が稼働するわけでなく必要に応じて活動能力を得て、その稼働割合が3~4才でほぼ決まるというのだ。しかし最も活発に働くのは12才がピーク。その後余剰な汗腺能力は淘汰され、大人の量に落ち着く。多量に発汗の必要のあるスポーツ選手などは例外だろう。
顔汗をかくのは必要?~意外な効果
私はその多汗な時期(?)にスポーツはほとんどしないインドア派であった。その頃はデブだったからである。いや、運動しなかったからデブだったのか‥。私が運動に目覚めたのは就職してジャズダンスやエアロビクスを始めてから。しかし何故かその頃から私は人より汗っかきだったのである。
特に顔。それは今でも変わらない。ダンスレッスンではウォーミングアップの時にはもう額から汗が流れ落ちる。(おデブだからだろうって?いや、今は体脂肪26%の標準体重である)それが目に入るとしみるので、私だけテニスプレーヤーみたいにヘアバンドをしていてちょっと恥ずかしい。昔エアロビではファッションの一部でみんなしていたけどねぇ。
ここで私の推論。この人並以上の顔汗が(出るのは運動の時だけではない。チョッと暑いとすぐ出る。あ、冷や汗は別ね)私の顔の保湿に一役かっていたのではないか。
自慢に聞こえるかもしれないが、私は60才にして真皮シワは眉間と額に浅くあるだけ。つまり真顔にしていたら、カラスの足跡やほうれい線は無い。(だからと言って若く見えるかどうかはどうかな。肌の張りは落ちてきているので、笑えば当然くしゃっとなる。今の悩みはマブタの窪みと目の下に現れてきたゴルゴ様の影ですな)
エクリン腺の汗ジンワリぐらいなら肌に悪くないと思うが、運動などで出過ぎた状態の放置は衛生上よろしくない。速やかに洗い流す必要があるけどね。
しかし既得権益にしがみつくのは人間のサガ。このままこれ以上シワを作らずにトシを重ねたい。私にくっきりがシワがあまり出来なかった理由は何か。それが分かれば今後に役に立つと思ったのだ。日常的に適度にでる汗の顔は、出ないでカピカピに乾いた顔よりいいのでは?
もう一つの推論は顔の温度。
ヒートショックプロテインをご存じだろうか。ヒートショックプロテイン70(HSP70)は損傷を受けた細胞を修復し、免疫を高めると言われるタンパク質。熱めの風呂に浸かるなどの温熱刺激で誘導されることからこの名前が付いた。(40度以上で20分だそう)
運動したら当然体温が上がる。汗は上がり過ぎた体温を下げる為に出るもの。小さな子供が顔を真っ赤にして汗だくになっているのを見たことない?あれは汗だけでは体温を下げれないので毛細血管も拡張しているから。
そのまんまダンスレッスン時の私である。スタジオの鏡を見ると、私だけ顔を真っ赤にして顔を汗だくにしている。つまり私の顔はそれだけ体温が高くなっていて、ヒートショックプロテインが発動しているのではないだろうか。
20年以上前だが、ある本で「ダンサーが若く見えるのは顔の温度上昇でコラーゲン組織にいい影響を与えているから」という記事を読んだ覚えがある。(なぜダンサーかというと、紫外線の影響をうけず、何十年も続けられているから。他の運動はそうはいかない)その著者がそれをどういうエビデンスから書いたのかはもう分からないが、それを読んでからは『ウォーキングなどの運動も顔汗をかくまで(顔の温度上昇まで)やろう』と思ってそうしてきた。そして近年HSP70の存在を知って「これだ!」と納得したのである。これから冬に向かってますます顔汗をかきにくくなる。意識して運動を定期的に行う必要があるだろう。
肌の老化を防ぐ為のほんの一役かもしれない。栄養や睡眠や紫外線対策の方がはるかに大切だ。でも出来ることは全部やる。(お金がかからなければ!)それが私の美容術だ。
さあ、一緒に唱えましょう。「諦めたら老ける!」
それではまた次回。ごめんなさいませ。


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