60才からの美容術 ⑫あの国に行ってはいけない?

 旅行が嫌いな女性はいない訳ではないだろうが、大抵は好きなのではないか。
 第一、一切の家事がない。嬉しい上げ膳据え膳である。掃除もしなくていい。洗濯も取りあえず後回し。毎日見知らぬ場所、初めて食べる料理にワクワク感と好奇心を満たされる。それも一から十まできめ細かなサービス付き。日本の観光業のサービスのレベルの高さは定評があるらしい。外国人からの驚きのコメントなどを時々ネットとかで目にする。さすが「おもてなし」の国である。

あの国でのおもてなしの思い出

 逆になぜ、外国はサービスが悪いのか?
私もそんなに海外旅行を経験したわけではないので詳しくはない。ほとんどが、もう一度来て別の地方に行ってみたいと思ったのだが、「二度と行かないだろうな」と思った国もある。

 中国だ。中国は独身時代から山水画のような雄大な桂林、万里の長城などを見てみたいと思っていたので、新婚旅行は中国にと思っていた位だった。しかし結婚の少し前に『天安門事件』が起きて、ツアーが軒並み中止となってしまったのだ。(そのかわりシンガポールに行った。それはそれで楽しかったが)その後、社員旅行で訪れる機会を得た。

 今から25年ほど前のことだ。バブルが弾けたとはいえ景気はそこまで悪くはなかったので、当時出来たばかりの高層ホテル(たしか三ツ星以上)に泊まった。新しくで何処もピカピカ。それは良かったのだが、なんと空調があまり効かない。季節は冬、12月初め。一応フロントに訴えるも改善無し。寝巻はホテルにあるという話だったので、なるべく荷物を減らしたかった私は寝巻を持ってきていなかった。まさか、三ツ星以上のホテルで寒いとは!毛布を重ねて被るも脚の底冷えはいかんともし難く、よく眠れぬ一夜を過ごした。そして翌日必ずパジャマを買おうと決心した。折しも翌日は絹製造工場見学で、絹製品店も併設されていたので見て回ったが‥。

「た、高い!」女性物のシルクパジャマが1万円ぐらいする。品質の差はわからないが、日本で買うのとそう変わらない。「中国って物価安いんじゃなかったの?しかもここで作ってるのに?」
 午後からは市場散策の予定だったので、同僚の「そこで買えば?」という勧めに従い、結局そこでは買わずじまい。まあよくあることだが、旅行会社が連れて行く店は、気前が良くなっている観光客に買わせるための店で往々にして市井より割高である。(それは日本も含め世界中そうだろう)私は無事、市場でピンクのシルクパジャマを2千円ほどでゲットした。

日本のトイレは世界一キレイ?

 しかし、私がもう二度とは‥と思うのはそれだけではない。
 トイレが汚いのだ(それはイタリアでもそうだったが。イタリアは便座がない所が多かった。座らないのか?)ホテルはキレイだがそれ以外は酷い。旅行会社のチョイスが悪かったのかどうかわからないが、レストランでもそう。特にコーナーの汚物入れがいつも使用済みのトイレットペーパーで一杯だった。このツアーの最初で聞いていたが、中国ではトイレットペーパーを流せない。配管が狭いのか、ペーパーの水解けが悪いのかすぐ詰まるそうだ。

 日本の高速道路のサービスエリアのトイレも時々流してないペーパーで汚物入れが一杯の時がある。あれはお隣さんからの観光バスが来たんだろうな。流していいと聞いているはずだけど、つい習慣で?

 そう言えば東洋人のツアー観光客で日本人はすぐわかると旅行会社関係者が言っていたそうだ。ツアーコンダクターさんが説明しているのを全員が大人しく聞いているなら日本人だと。他の国の方々がどうなのか、見てみたい。

 日本はどこもゴミが少なくキレイという外国の方の評価を頂くが、確かにそうかもしてない。今まで行った諸外国は何故か道によくゴミが落ちている。観光地でもそうだ。そうね、キレイだったのはウィーンとシンガポール。シンガポールはゴミのポイ捨ては罰金だからね。

 これは『割れ窓効果』だろう。空き家が多く、ガラス窓が割れている家が多い地域は犯罪率が高いそうである。(悪い事をしても見つかりにくい)。ゴミ1つ無い道にポイ捨てはしにくいが、幾つかもう落ちていたら抵抗なく捨てれるだろう。(あー家の中もそうなのよね~)

 営業スマイルが無いのも特徴かな。日本人みたいに無駄に(?)笑顔を作らない。デパートの店員さんだってそうである。今は違うかもしれないが。問題なのはおみやげ物を買う時は良く見なければいけないということ。これは中国だけではない。粗悪品が混じっていて、それに気づかずに買ってしまっても取り換えがきかない。「それを選んだのはあなたでしょ」である。日本ではそもそもどんな小さな店でも店頭に粗悪品は並べない。その感覚で買い物をすると後で「あちゃ~」ということになったりする。ツアコンの人に、たとえデパートでもそれはちゃんとする事と勧められた覚えがある。

本場中国料理の楽しみ方

 ビックリしたのは食事である。それともよっぽど旅行代ケチったのか‥。
中華料理と中国料理の違いをご存じだろうか。中華料理は中国料理を日本人の好みに合わせてアレンジしたもので、本場中国では中国料理が供される。だから、日本でも看板に「中華料理」と「中国料理」と2種類ある。中華街は「中国料理」が多いのだろう。1回だけのツアーで決めつけるわけではないが、そこで食べた料理はほとんど食材が1~2種類のものだったのだ。
 日本でいう中華料理は「五目何とか」が多く、彩りも豊か。酢豚にしろ青椒肉絲にしろ3~4種類以上の食材からなっている。しかしそこで出てきたのは青梗菜の炒め物(青梗菜とニンニク?だけ)、鶏唐揚げ(鶏と赤唐辛子)、キャベツ炒め(キャベツだけ)、チャーハン(ご飯と卵だけ。翌日違う店で出たチャーハンもそうだった)という感じ。それが大皿でやってくるのは同じ。中国料理とは食材一つ一つをじっくり味わう料理とみた。あれこれ余計な味を混ぜないのか。ジャスミンティーも日本茶と違って葉は開ききっても茶葉を変えないのね‥。

 私達が食べていた中華料理はあたかも宮廷料理みたいに贅沢で、八宝菜なんかは本当に八つの宝だったのねと思い当たる。日本での「中国料理」はやはり多少は日本人に合わせて少しは違うのだろうか。日本人は懐石料理みたいにアレコレ違う味を楽しみたいのだが。 

 それでもあの国に行ったことに後悔はない。今ではあれもこれもいい思い出だ。現在社会情勢が不穏で行きたくてももう行けない国になってしまったが、外国に行くと自国のいい所と悪い所が浮き彫りになって面白い。
 総じて日本は平和で豊かで住み易い国。帰って来る度にこの国に生まれた幸せを感じる。それだけでも外国に行った甲斐がある。海外だけではない。旅行は気持ちを高揚させ、小さな悩みを吹き飛ばす。命の洗濯にはもってこい。これからの我らの世代が美しく生きる為には、欠かせないものである。

 それではまた次回!ごめんなさいませ。

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