お産が始まったら何をする?その⑨ -安産でGO!-

子宮口が全開大近くになれば、陣痛室から分娩室に移る(初産婦の場合)
そして全開大で怒責(いきみ)が始まる。
怒責の大事なポイントは2つ。怒責の呼吸とその体位
前回までは呼吸法を詳しくやってきたが、今回は体位編。
本番までに是非マスターしよう。ってことで結論はこれ。

いきむ時は身体を丸く、ゆりかごのように

背中をそらせてはダメ

日本を含む先進国のほとんどでは、お産は病院の分娩台でしている。
分娩台は普通仰向けで寝て左右にある足台に足をかける、という仕様だ。
背中は少し上がっていて自分のお腹が見れる。
私がいた産院の分娩台にはお尻を置く所の両側に、いきむ時に握るレバーがある。
自分がお産する産院の分娩台はどんなのか、事前に見ておこう。

さて、ゆりかごのようにってどういうこと?
頭から尾てい骨までの背中側のラインを、腰を頂点とした内向きカーブにすること。

上半身は簡単。台も起こしてあるし(起こしすぎもいけない。理由は後述)意識しなくてもできる。
難しいのは下半身。
それには骨盤回旋を理解してもらわねばならない。骨盤回旋とは骨盤をグルグル回すことでなく角度を変えるということだ。
まず真っ直ぐ立った時、背骨の腰のあたりは前彎(前にカーブ)してる。壁に背中をぺったり付けたら腰の所に掌が入る位のすき間があるでしょ?そのすき間をなくすように腰で壁を押してみて。そうしたら骨盤は下から自分にコンニチワの角度になってないか?そのたった30度位角度を変えるのを骨盤回旋という(回旋とは大げさな。どうせ外国語の和訳でこうなったんだろ)

はい、そうすれば腰だけ壁について頭・肩と尾てい骨は離れてる、というカーブになるでしょう?その壁を分娩台と思って同じよう今度は仰向きでしてみて。ゆりかごの底みたいにできたかな?

体位の効果

なぜそんな体勢をとらなきゃならないか。
それはもともと人が仰向きに寝たとき産道(子宮口から出口まで)上向きカーブになっているのと、恥骨(おへその15㎝程下にある骨)という障害物があるからである。
骨盤を自分の方に向け、恥骨を引き上げてあげないと赤ちゃんがの頭がそれにぶつかって進めない。

人間は力をめいっぱいに込めるとき、どうも腕を突っ張りアゴをあげてしまいやすい。
そうなると背中は反り、恥骨を押し下げる。逆である。
腕はつっぱらずに肘は最初から外側に曲げ、いきむ時レバーを引き寄せるようにすればいい。

筋肉の使い方

いきむ時どこに力を入れたらいいか分からないと時々言われる。
下腹直筋である。腹筋運動で使うおへその下の大きな筋肉。そこに力を込める。
上体を起こしすぎないほうがいいとしたのは、この筋肉を使いやすくする為。

筋肉って伸びている状態から収縮させて使う。例えば二の腕に力こぶを作る時、最初から90度に曲げて力入れるより一回腕を伸ばしてから、曲げながら力入れるほうが上手く力入れれないかな?
腹筋も上体を起こしてると最初から筋肉が短い状態から力を入れることになる。
出来ないことはないけど、慣れてない人はうまくピンポイントにそこに力が入らない事がある。顔に力が入り(顔の毛細血管が切れて、出血斑ができるよ)、力が分散してしまうのだ。
上体を完全にフラットにすると今度は腰が反りやすくなるのでお勧めしないが、いきむ時レバーを握って(レバーもギリギリ届く場所)上体を引き寄せ、背中が少し浮く位が良いと思う。

もちろんその人の力を入れやすいベストポジションがある。それを探すのも助産師の仕事。共同作業なので感じたことは遠慮せずに伝えよう。

脚は拡げて出口を広く!

もう一つ大事なことは脚の形だ。
産道は狭い。骨盤狭い上にそれにお肉がついている。
体操座りして膝を肩幅に離すと、足の付け根の内側に硬いスジがある。内転筋群だ。
すぐわかると思うが、膝が天井向いてるこの状態では出口のジャマだよね?
そこで膝をパタンと外側に倒す必要がある。
実際はかかとは左右の足台で踏ん張っているので、アルファベットのМにすると思ってほしい。膝頭はおへその高さ。えっ足がつりそうって?そう、足がつる人多いよ。

日頃からストレッチしてね。ストレッチのやり方は思いっきり膝を外に向けたヤンキー座り。肘で膝を外に押す。これが辛い人はお産の体勢も辛い。楽に出来る様になろう。

たまに、いきむ時に内転筋群にも力が入って膝が内向きになる人がいる。
他に、ずり上がったり身体をよじったり。大変なのは分かるがメチャ困る。
赤ちゃん出にくいし、会陰保護や処置が出来ない。
力を入れるのは腹筋だけ。例外的に、膝を拡げようとお尻に多少力が入るのはOK。
筋肉には逆の働きをする拮抗筋があり、片方(この場合は中殿筋)を使う時はもう片方(内転筋)は必ず弛緩・伸展する。
ただ、お尻といっても肛門周囲(骨盤底筋群)は力入れちゃダメですぞ。
難しいねえ。

さあ、以上をふまえてイメージトレーニングをしてみよう!

まず背中にクッションを当て少し起き上がる姿勢。
両足は深く曲げ、膝を外側に向けて開く。この時左右それぞれ膝の裏を手で持つと、自然に骨盤がこちらに向きゆりかご姿勢に。
この状態でいきみの呼吸の練習だ。
  ①陣痛は無い時は全身脱力。
  ②陣痛が来たと想定、まず大きく深呼吸。
  ③次に大きく息を吸い込んだら止める(10秒ぐらい)
   同時にアゴを胸に付け、肘を曲げ脚をかかえながら、背中は丸くする。
  ④一度息を吐き、手の力を緩め、素早くまた息を吸う。
  ⑤また脚をかかえ、息を止める(10~15秒)
  ⑥息を吐き、脱力して深呼吸をする。

で1クール。短息呼吸の練習なら、③まで同じにやって
  ④助産師の合図で、すぐ手を胸に置き、短息呼吸(手を離しても脚は拡げたまま)
  ⑤ハッハッハッを20秒位続け、「生まれましたよ!」の想像の声でリラックス。

イメトレでの注意点。
・実際に腹筋に強い力は加えない。37週未満では特に。
・目は開けておく(助産師とアイコンタクトしてね)怒責の時目を閉じる人は多い。
・顔の力は抜く。歯を食いしばったり、眉間にシワを寄せない。

これでお産はもう万全!
おっと、産んだすぐ後のことも知りたいわよね。
それは次回に。今回はごめんなさいませ。

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